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パニックの対応は?予防はできる?【自閉症スペクトラム障害】

更新日

自閉症スペクトラム障害のあるお子さま(もしくはその傾向のあるお子さま)の保護者の方からの相談内容の中でも、特に多いのが「パニック」です。
パニックがなぜ起こるのか?どうすればよいのか?について、ご紹介します。自閉症スペクトラム障害についてもっと知りたい方は、「自閉症スペクトラム障害(ASD)とは?【特徴・診断・治療など知っておきたい基礎知識】」をあわせてご覧ください。

1.パニックとは?

パニックとは、なんらかの理由により感情や行動などの調整が難しくなり混乱した状態を言います。不安や怒りなどなんらかの情動が抑えられなくなり、癇癪(かんしゃく)や泣き出す、自傷行為、破壊行動などが生じることがあります。
一方で、好きな対象などに興奮をしすぎることで、行動の抑制ができなくなることや、表面的な行動には現れないものの、思考や感情が停止してフリーズしてしまうというような、一見パニックが起こっていると気付きづらいケースもあります。

パニック時に見られる行動例

  • ・大声で叫ぶ・同じ言葉を繰り返す
  • ・暴言を吐く
  • ・暴れ出す、突発的に走り出す・飛び出す
  • ・物を投げたり、蹴ったり、壊したりする
  • ・自分の頭を叩く、腕を噛む
  • ・フリーズしてしまう(身体が動かなくなる、言葉を発さなくなる)

2.パニックの原因は?

パニックが起こる理由はさまざまですが、なんらかのストレスの蓄積により、情報の処理ができなくなることや、行動を制御することが困難になることで、ストレスや不安がさらに増幅する悪循環が起こると考えられています。

パニックの原因例

  • ・新しい場面や突発的な変更があったとき、見通しが不確かなとき
  • ・感覚特性により、不快・苦痛な感覚が過多となり、回避・処理しきれないとき
  • ・自分のこだわりやマイルールを維持できなかったとき
  • ・過度の疲労や体調不良など心身の状態が不安定なとき
  • ・過去のストレス場面がフラッシュバックしたとき(タイムスリップとも言う)

パニックの「引き金」を探ることが大切!

パニックの原因やパニックになりやすい状況は、お子さま一人ひとり異なります。特に感覚特性は、パニックやこだわりを理解するうえで、前提として配慮する必要のある重要な特性です。
パニックが起こるときには「引き金」となる原因があるはずです。それが何かを正しく理解をして、配慮をすることで予防することが可能です。

パニックが実際に起こってしまったときに、保護者の方がすべき対応について、紹介をします。

3.パニックへの対応の基本

①安全確保

まずは周囲にいるお子さまや他の人の安全を確保し、危ない物を遠ざけることが大切です。
周囲に人がいる場合には、その人たちを安全な場所に誘導させましょう。また、刺激となっているものや危険な物を周囲から減らすこともマストです。投げられる・倒せるもの、鋭利なものや、ぶつかると危ないものなど、危険なものがある場合は、本人から遠ざけるようにしましょう。
自傷行為がある場合には、怪我につながらないようにしましょう(例:タオルやクッション、衣類等で本人をガードするなど)

②パニックが治まるまで待つ

パニックは多くの場合、数分~数十分で治まります。
周囲が混乱することや慌てることで、余計な刺激となり、パニックを増長させることがあります。本人が落ち着くまでは刺激せずに待つことが大切です。

③落ち着いたら、話を聞く

本人が落ち着いてから、落ち着くことができたことを褒め、ねぎらった上で、話を聞きます。パニックの原因がわからない場合には、何が原因となったのかを確認してみます。落ち着いたようにみえていても、興奮していることもあるので、焦らずに完全に本人が落ち着くまでは待ちましょう。

パニック時は「無理に止めない」!

パニックに陥っているときは、お子さま自身が感情や行動をコントロールすることは難しく、それを抑制するのはかえって悪化させることに繋がりかねません。
周囲がさらに刺激をしないように、落ち着くまで焦らず待つことが大切です。下記のNG行動にあるような対応は、パニックの際におこなうと、状態を悪化させる可能性があるため、留意しましょう。
【避けるべきNG行動】
・大声で周囲が叱責すること
・腕や体を押さえつける、抱きしめるなど、強制的に動作を止めること
・無理やりなだめようとすること
・パニックの原因を繰り返し聞くこと

お子さまがパニックになってしまったとき、どうにかして止めなければ!と無理に制止をしようとするケースがありますが、発達障害のあるお子さまに対してはNG行動とされています。
お子さま本人が落ち着くまで、ゆっくりと待つことが大切です。

保護者の方たちに聞いてみた「パニックが起こったときに心がけていること」

物を投げることや暴れてしまうことがあり、無理に押さえていましたが、かえってそれが逆効果になることに気づけました。本人が落ち着いてから話をするようにしています。(14歳)
パニックの原因を知ることが大切だと分かり、本人が落ち着いた後に理由を聞くようにしています。(9歳)
パニックになってしまったときに、一生懸命なだめていたのですが、かえって良くないと知ってからは、焦らず気持ちが鎮まるまで待つようにしています。(8歳)

4.お子さまの「パニック」を防ぐために

パニックには引き金となりうる要因があるはずなので、まずはそれを理解し、配慮をすることで予防をすることが可能です。「起きてからの対応」だけではなく、「起きないような対応」を心がけておくことが、とても重要です。
ただし、パニックの原因を探ることはとても難しいものです。お子さまとの接し方について、日々不安を感じ、悩みを抱える保護者の方も少なくないと思います。
そんなときに利用ができるサービスが、「児童発達支援(未就学児対象)」と「放課後等デイサービス(就学児対象)」です。いずれもお子さまへの療育の提供や、保護者の方のサポートをおこなう児童福祉法に基づくサービスです。

お子さまのパニックに対処するのは、発達が気になるお子さまの子育ての中でも、とくに難しいことです。
保護者の方が一人で抱え込んでしまうことで、大きなストレスを感じ、疲弊しきってしまうことも少なくありません。
一人で悩まず、まずは相談してみてはいかがでしょうか。

ハッピーテラスでは、お子さま一人ひとりの発達にあわせたプログラムで、「できた!」「楽しい!」を積み重ね、自己肯定感を育み、自立への第一歩を踏み出すことを目指す支援をおこなっています。

ご相談やご質問はもちろん、オリジナルプログラムの体験会、一日の流れや支援内容を説明させていただく見学会のご案内もおこなっております。
総合お問い合わせ窓口、もしくはお近くの教室にお気軽にお問い合わせください。

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