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年長で何度も同じ質問を繰り返すのはなぜ?:理由と対応方法を解説!
1,はじめに
お子さまが「何度も同じ質問を繰り返す」ことに困っていませんか?
例えば、「幼稚園のバス、何時に来るんだっけ?」と聞いてきた数分後に、また同じ質問をしてきたり、「ちょっと待ってね」と言ったのに、「まだ?まだ?」と何度も聞いてきたり…。
実は、このような行動は、ASDのあるお子さまによく見られる特徴の一つです。 ASDのあるお子さまは「時間の流れ」をイメージすることが難しいため、不安になり、同じ質問を繰り返すことで安心しようとしているのかもしれません。
今回のブログでは、ASDのあるお子さまが「何度も同じ質問を繰り返す」理由と、その対応策について、具体的な事例を交えながら解説していきます。ぜひ最後までご覧ください!
2,今回の事例
- 年齢: 5歳
- 性別: 男の子
- 発達障害と特性の種類: ASD(自閉症スペクトラム障害)、イメージ力、コミュニケーション
A君は、年長さんになってから「何度も同じ質問を繰り返す」ことが増え、お母さんは困っています。例えば、朝ご飯を食べている時に「幼稚園のバス、何時に来るんだっけ?」と聞いた数分後に、また同じ質問をしてきます。また、遊びに夢中になっているときに「ちょっと待ってね」と声をかけたにもかかわらず、「まだ?まだ?」と何度も聞いてくることがあります。「まだ?」と聞くたびに、「あと少しで終わるよ」と答えていますが、なかなか落ち着いて待つことが難しいようです。
特性と困りごととの関係
A君のように、ASDのあるお子さまは「時間の流れ」をイメージすることが苦手です。そのため、あとどれくらい待てばいいのか、いつバスが来るのかといった時間の感覚が掴みにくく、不安になってしまうことがあります。また、同じ質問を繰り返すことで、同じ答えを得て安心したいという気持ちも考えられます。このように、「目に見えないもの」に対する不安が背景にあると考えられます。
発達の目安
定型発達のステップ
- 0〜1歳:周りの人に注意を向け、喃語を発する。
- 1〜2歳:簡単な指示が理解できるようになり、単語を話し始める。
- 2〜3歳:2語文を話すようになり、大人の真似をして遊ぶようになる。
- 3〜4歳:3語文以上の文章を話し、簡単な質問に答えられるようになる。
- 4〜5歳:時間や曜日の概念などの「因果関係」を理解し始める。
- 5〜6歳:複雑な指示や会話が理解できるようになり、自分の気持ちを言葉で表現できるようになる。
A君は、言葉の発達に遅れは見られず、自分の気持ちを言葉で伝えることができます。しかし、時間の概念の理解が難しく、「あと5分」や「3時」といった抽象的な表現が難しい様子が見られました。
A君の現在できていること
- 自分の気持ちを言葉で伝えることができる。
- 好きなことや興味のあることについては、積極的に話しかけてくる。
- 簡単な指示は理解し、行動できる。
3,今回おこなった支援と、その後の成長
A君には「少しだけ違う回答をする遊び」を取り入れ、時間の経過を意識できるようにしました。例えば、「今日何日?」という質問に対して、最初は「今日は15日だよ」と答えます。次に同じ質問をされた時には「今日は火曜日だよ」「今日はお父さんの誕生日だよ」のように、少しずつ情報を付け加えて回答することで、「時間の流れ」を意識できるように促しました。
また、視覚的な支援として、時計やカレンダーを用いる方法を教えました。最初は、時計の針が「長い針が6になったらおやつ」のように、具体的な行動と結びつけて時間を理解できるようにしました。徐々に「短い針が3になったら」のように、時計の読み方を教えていくことで、A君は自分で時刻を確認できるようになり、質問を繰り返す頻度も減っていきました。
3,おわりに
今回は「何度も同じ質問を繰り返す」お子さまについてご紹介をしていきました。
ハッピーテラスキッズ中野ルームでは現在、来年度(2025年4月~)の利用開始に向けた「ウェイティングリスト(待機)」連絡もお待ちしております。
その他、ささいな相談でも結構ですので、お気軽にご連絡ください。
今回もご覧いただき、ありがとうございました!
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