教室ブログ
発達障害のある子どもが高いところにのぼる理由:対応方法も紹介!
こんにちは!
東京都中野区の児童発達支援事業所
「ハッピーテラスキッズ中野ルーム」です。
今回は「高いところによくのぼる」お子さまについて紹介します。
4歳のAくんは、自閉症スペクトラム障害(ASD)とADHD(注意欠如・多動性障害)の特性があります。ある日、保育園で自由遊びの時間中、Aくんは教室の棚に登り始めました。保育士が「危ないからおりてきて」と声をかけても、Aくんは聞く様子もなく、むしろ嬉しそうに高いところから部屋を見渡しています。Aくんはその他の場面でも、教室をよく円を描くように走り回ったり、その場でくるくると回転することをよく好む様子が見られます。また、ご家庭でも高い台から飛び降りたりと、心配な行動がよく見られるそうです。
幼児期は、身体能力を試す、新しい視点を得る、未知の世界を探求する時期です。高いところに登ることで、周囲の世界を異なる角度から見渡し、自分の体の位置や距離感、力加減などを意識できるようになっていきます。
また、ADHDの特徴である衝動性と多動性は、高いところに登る行動と関連することもあります。衝動的に行動を起こし、危険を判断する前に「目に入った段階」で高い場所に登ってしまうのです。さらに、高いところに登る行為自体が、周囲の注意を引き、周りからの関心(刺激)を得る手段となっている可能性も想定されます。
もう一つの重要な要素は「感覚処理」です。幼児期は、前庭覚(バランス感覚)や固有受容覚(体の位置や動きを感じる感覚)の発達が著しい時期です。高いところに登る、揺れる、回転するといった行動は、これらの感覚を刺激し、発達を促す効果があります。特に、自閉症スペクトラム障害(ASD)や発達障害などの凸凹のある子どもは、感覚処理に課題を抱えていることが多く、「気持ちが落ち着かない」「やることがなくて暇・つまらない」などのさまざまな背景から、特定の感覚刺激を求める行動を示す場合があります。大人でも「貧乏ゆすり」などがあるように、Aくんは感覚刺激の不足を高いところに登ることで補おうとしている可能性も考えられます。
今回おこなった支援と、その後の成長
Aくんの感覚刺激を求める行動を理解し、安全に欲求を満たせる環境を整えることにしました。
教室にトランポリンや回転いすを導入し、揺れ刺激を安全に得られるようにしました。
家庭では、テレビを見るための椅子を小さめのバランスボールにすることで、少しずつ高い場所に上る行動が減ってきたようでした。
発達障害のあるお子さまが高いところに上る行動には、さまざまな理由が考えられます。単に注意を引きたいだけでなく、感覚刺激を求めている場合も多いのです。重要なのは、子どもの行動の背景にある特性を理解し、適切な対応を取ることです。「やめさせる」のではなく、「別の行動に変化させる」アプローチを検討してみるのもいかがでしょうか?
最後までご覧いただき、ありがとうございます。
ささいな相談でも結構ですので、お気軽にご連絡ください。
今回もご覧いただき、ありがとうございました!
【ハッピーテラスキッズ中野ルーム】
メール:kids-nakano@happy-terrace.com
電話:03-5328-1810
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