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中野ルーム

5歳児のAくんが「前後」を間違える理由と教え方

こんにちは!

東京都中野区の児童発達支援事業所
「ハッピーテラスキッズ中野ルーム」です。

お子さまが「前後を間違える」ことはありませんか?

例えば、服を着替えるとき、一斉指示(幼稚園・保育園等での集団に対する指示)で友だちと列に並ぶときなどです。

今回は「前や後ろがわかりにくい」子どもたちについて、原因となる特性や環境設定の工夫など、実際の事例をもとに対応方法を解説していきます。

ぜひ最後までご覧ください!

目次

1.今回の事例
2.「前後」がわからない理由
3.今回の支援事例と遊び方
4.さいごに

1.今回の事例

A君は5歳の年長児で、ASDの診断を受けています。幼稚園の担任の先生から「前と後ろの指示理解が難しかった」というエピソードを聞いたとのことでした。

具体的なエピソードとして、先生が「後ろに来てください」と言ったとき戸惑った表情で、席に座ったままでした。先生が「こっち、先生のところにおいで」と伝えると、少し悩んで後ろに行ったそうです。

また、外遊びの際に「○○くんの後ろに並んで」と指示されると、太郎君は列から離れて教室の後ろの壁に向かって歩いていってしまいました。

2.「前後」がわからない理由

前後などの「位置関係」を表す言葉については獲得が難しいとされており、お子さま(特に幼児期)によって発達の個人差があるといわれています。

発達の目安としては、以下のようなものがあります。

  • 2歳頃:前後の概念が形成され始め、簡単な指示がわかる
  • 3歳頃:「前」「後ろ」という言葉を使って表現できることが増える
  • 4-5歳頃:「○○の前」「前に○○」など、助詞の理解の発達や「メタ認知」の発達に伴い、語順や起点を入れ替えた表現も理解できる

一方で、ASD(自閉症スペクトラム障害)の以下のような特性により、声掛けや支援が必要になることがあります。

  1. ワンパターンな理解:「後ろ」を常に「教室の後部」と理解している可能性があります。
  2. 視点の切り替えの困難:自分を基準とした「前後」は理解できても、他者や物を基準にした相対的な位置関係の把握が難しい様子です。
  3. あいまいな指示の理解の困難:「○○の後ろ」という指示を、具体的な位置ではなく方向として捉えてしてしまう傾向があります。

A君の場合、自分を基準とした前後の理解はある程度できていますが、いつもと違う位置関係の指示が出た時に悩む傾向が見られます。これらは決して「先生の指示を集中して聞く力が弱い」からではありません。

他者や物を基準とした相対的な前後の理解や、あいまいな指示の理解が難しいため、どんな行動をとってよいか困っていると考えられます。

なお、こうした場合、幼児期では「周りに合わせた」行動をすることで対処法を身に着けている可能性があります。これは言葉よりも目で見た情報がわかりやすいため、大勢の生活の中では見本が多く、困っていることに気付かれないケースがあります。

3.今回の支援事例と遊び方

まずは、幼稚園と連携して、「環境設定」の工夫をおこないました。具体的には、「並ぶ場所にシールを貼り、視覚的に具体的な位置を示す」「指示を出すときには必ず、前後左右のような位置関係の言葉に加えて、目印となる単語を言う」などです。

次に、ハッピーテラスキッズ中野ルームの個別レッスンで、段階的に以下の遊びを取り入れました。

いっぱい動こう!

体を使って楽しく「自分の前後」を感じる遊びをおこないました。具体的には、最初は手をつなぎ、徐々に一人でできるようにしながら「まえ」「うしろ」と聞いたら素早くジャンプする遊びです。こうした、音楽に合わせて前後に動く運動遊びを取り入れ、楽しみながら「前後」を感覚的に理解できるように支援をしていきました。

すばやく置こう!

自分を基準とした「前後」の理解に向けた活動をおこないました。

  • 椅子や輪を3つ並べ、真ん中にA君が座ります。
  • 「あなたの前においてね」「あなたの後ろに置いてください」などの指示で、素早くおもちゃを置くゲームをおこないました。
  • 徐々に速度を上げていき、ゲーム性を取り入れておこないました。

どっちが前?後ろ?

他者や物を基準とした「前後」の理解に向けた遊びです。おもちゃの車や人形を使い、「パトカーの後ろはどっち?」「お人形の前はどこ?」などの指さし遊びをおこなうことで、自分ではなく他者や相手から見た位置関係を確認していきました。

こうした指導を遊び感覚で1日5分程度取り入れていくことで、「まえうしろ楽しい!」という発言が見られるようになり、徐々に「先生の、うしろだから、こっち」などの言葉を使った確認をすることができるようになりました。

4.さいごに

今回は「位置関係」がわかりにくいお子さまについてご紹介していきました。

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

ささいな相談でも結構ですので、お気軽にご連絡ください。

今回もご覧いただき、ありがとうございました!

【ハッピーテラスキッズ中野ルーム】
メール:kids-nakano@happy-terrace.com
電話:03-5328-1810

中野区
  • 中野ルーム

「新中野駅」より徒歩3分

03-5328-1810

  • 発達障害プロサポート
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