柏教室

ASD(自閉スペクトラム症)でも「気遣い」はできる?:発達障害と「人付き合い」のコツ

こんにちは!

千葉県柏市の放課後等デイサービス(主に発達障害・特性のある中高生対象・就労準備型:プログラミングコース、e-Sportsコース、就労準備コース)

「ハッピーテラス柏教室」です。

はじめに

「人の気持ちがわからない」

「空気が読めない」

ASD(自閉スペクトラム症)やADHDなど、発達障害の診断を受けた方がよく耳にするフレーズです。しかし本当にそうでしょうか。この記事では、ASD の特性とコミュニケーションの関係をひもときながら、気遣い力を伸ばす具体的な方法を紹介します。

ASD(自閉スペクトラム症)とは?

ASD は脳機能の発達に偏りが見られる「発達障害」のひとつで、以下のような特徴(症状)が挙げられます。

感覚の過敏・鈍麻:光や音、触覚への反応が強すぎる、または弱い。

コミュニケーションの苦手さ:曖昧な言葉や行間を読む会話が難しい。

興味・関心の偏り:特定分野への強いこだわり、反面それ以外には無関心。

変化への抵抗感:ルーチンや予測可能な状況を好み、突然の変更にストレスを感じやすい。

これらの特性が重なると「気遣いができない」という誤解を招くことがあります。

なぜ「気遣いが苦手」に見えるのか(特性との関連)

無意識に学習することの難しさ

多くの人は経験を繰り返すうちに、相手の気持ちを推測したり場面に合わせたマナーを自然に身につけます。ASD の方は状況や文脈の理解が得意ではないこともあり、「考えなくてもできる」レベルに到達するまで時間がかかるのです。なお、「考えること」はできていても、場面に合わせて「適度」に加減をして自分の経験を応用することが難しいケースも多くみられます。つまり、文脈に合わせた「気遣いの発動」を無意識におこなうことが難しいという状態だと考えられます。

感覚特性(感覚過敏・感覚鈍麻)の影響

たとえばオフィスの蛍光灯がまぶしすぎたり、周囲の雑音が気になりすぎたりすると、相手の表情を読む余裕が奪われます。結果的に「配慮がない態度」に映ることがあります。

コミュニケーションスタイルの違い

ASD の方は「言葉を文字通り解釈」する傾向があり、遠回しな依頼や皮肉が伝わりづらい場面があります。これが「思いやりがない」「常識がない」と判断される理由のひとつです。

気遣いが苦手でもできること!

「苦手」と思われがちな「気遣い」「気配り」でも、自分の特性を理解したうえで練習や「知識」を深めることで、好印象を獲得したりするスキルは伸ばせます。

  • 声かけの前に確認する:「今、お時間よろしいですか?」「話しかけて大丈夫?」と尋ねる
  • ものを手渡す際の一言:「本日の資料です」「落ちましたよ、どうぞ」と明示する
  • 相手に話す前に、チャットで要点を共有する:質問事項を箇条書きで送信
  • 話の聞き方を変える:相手の発言を遮らず、最後まで黙って聞く
    例えば、「相手が10秒以上、目を見たうえで沈黙していたら相手のターン終了」のような仮のルールを決めておき、相手に応じて修正をしていく
  • 感謝を冒頭に必ず伝えるクセをつける:「ありがとうございます」「よろしくお願いいたします」「助かります」
  • やっていること・自分の状況を相手にわかるようにする:今からやること、やっていること、やろうとしていることを、やる前に相手や上司などの目上の人に言ってから取り組む
  • 好みをメモしておく:友だち・同僚が好きな話題や飲み物をメモしておく
    ただし、プライベートなことは言いすぎない(覚えられすぎていると、かえって悪印象になる場合があるため)

まとめ

ASD だからといって「気遣いができない」と決めつける必要はありません。自分の行動パターンや特性を理解し、相手に対して「優しくしよう」「うまく付き合いたい」と思う気持ちを持つ方が大勢います。自分の特性を理解し、具体的な練習を積み重ねれば、社会性や対人関係を無理なく、うまく調整しながら継続することができます。無理のない範囲で「できる行動」を増やし、相手も自分も心地よいコミュニケーションを目指しましょう。

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