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【番外編】指導員向け!生成AIで放課後等デイサービスの「活動の構造化」を考える方法
こんにちは!
千葉県柏市の放課後等デイサービス(主に発達障害・特性のある中高生対象・就労準備型:プログラミングコース、e-Sportsコース、就労準備コース)
「ハッピーテラス柏教室」です。
「このルールだと、ADHDの特性があるAくんは衝動的に動いてしまいそう…」
「ASDの特性があるBちゃんには、口頭での説明だけでは理解が難しいかもしれない…」
「支援」の準備にかける時間を確保したいのは、放デイの指導員にとって永遠の悩みともいわれています。今回の番外編では、そんな指導員の皆さま向けに、生成AIを「ルールの構造化」を考えるツールとして活用した事例を、具体的な実践例と共にご紹介します。
そもそも「構造化」とは?療育の土台となる3つの柱
そもそも構造化とは、一言でいえば「環境を分かりやすく整える」ための工夫のことです。見通しを持つことや、変化に対応することが苦手な特性のあるお子さまでも、安心して活動に取り組めるようにするための視点です。主に3つの側面から環境を整えています。
1. 時間の構造化
「いつ始まって、いつ終わるのか」「次は何をするのか」を、お子さまが視覚的に理解できるように示す工夫です。例えば、絵カードを使った一日のスケジュールを提示したり、活動の終わりにタイマーをセットしたりします。終わりが見えることで、お子さまは「あとどのくらい頑張ればいいのか」が分かり、気持ちの切り替えがしやすくなります。
2. 場所(環境)の構造化
「どこで」「何をするのか」が、一目でわかるように空間を整えることです。例えば、「勉強する場所は青いマットの上」「クールダウンする時はこのテントの中」というように、パーテーションや棚マットで活動エリアを区切ります。おもちゃを写真付きの箱にしまうのも、場所の構造化の一つです。どこで何をすれば良いかが明確だと、お子さまは混乱することなく、自ら考えて行動しやすくなります。
3. ルールの構造化
「その場所で、何を、どのようにすれば良いのか」を、具体的で分かりやすいルールで示すことです。「走らない!」のように行動を制限する言葉ではなく、どうすれば良いかを肯定的な言葉で伝えます。「視覚優位」という特性により「目で見たほうがわかりやすい」という効果があるだけでなく、ルールを明示しておくことにより「ルールとは異なる行動をしたときに、掲示に基づいた対応ができる」という効果もあります。
これら3つの「構造化」の視点を組み合わせることで、お子さまたちは「ここなら安心して過ごせる」ことにつながるとされています。
なぜ「ルールの構造化」は難しく、そして重要なのか
いわゆる「構造化」によって、見通しを持つことが苦手だったり、感覚過敏があったりするお子さまが「楽しい」「できる」と感じながら、安心して集団参加することができるようになることができます。
しかし、集団療育では、
- ADHDの衝動性や不注意
- ASDのこだわりや、言葉のイメージ・意図理解に関する特性
- お子さま一人ひとりの興味や運動能力の違い
といった多様な特性を同時に考慮する必要があります。
今回の活用事例では、AIに「子どもの人数や特性」と「やりたい遊び」を伝える、個別最適なルールをどのように提案してくれたかご紹介していきます。
活用事例:「安全なバナナおに」のルールをAIと考えてみた
具体的なプロンプト(AIへの指示文)と、AIの回答例は以下の通りです。
【AIへの質問(プロンプト)例】
## 役割:
あなたは発達障害児の療育を専門とする指導員です。
## 目的:
集団療育で「バナナおに」をおこないます。子どもたちが安全に、そして楽しく参加できるように、ルールの構造化を手伝ってください。
## 子どもの情報:
人数:5名 主な特性:多動性・衝動性の強いADHDの傾向がある子どもが2名。ルールの口頭説明の理解が難しいASDの傾向がある子どもが1名います。
## 出力制約:
安全性が高く、視覚的にも分かりやすいルールのアイデアを5つ提案してください。
【AIによるルールの提案例】
- 移動は「動物の真似でジャンプ」だけ! 衝動的に走り出すことによる転倒を防ぐため、移動方法を「ウサギさんのようにジャンプ」などに限定します。「走ったら1回お休み」という分かりやすいルールになり、運動コントロールの訓練にも繋がります。
- 安全地帯は「色のフープの中」だけ! ASDの特性があるお子さまでも視覚的に理解しやすいよう、床に色のついたフラフープを複数置きます。「青いお家に入っている時はタッチされないよ」と伝えることで、パニックにならずに休憩できる場所を確保できます。
- おには「片足ケンケン」で移動! おに役の移動方法にハンデをつけることで、ゲームのバランスを調整します。お子さまたちの「捕まるかも!」というドキドキ感と、「逃げ切れるかも!」という成功体験の両方を演出しやすくなります。
- タッチは「やさしく背中にタッチ」だけ! タッチする場所を具体的に限定することで、「強く叩かれた」「顔に当たった」などのトラブルを防ぎます。「タッチは『こんにちは』ってご挨拶するみたいに、そっとだよ」など、子どもたちがイメージしやすい言葉で伝えましょう。
- タイマーで「終わり」を見える化! 活動の終わりが分からないと、気持ちの切り替えが難しいお子さまもいます。大きなタイマーを設置し、「あと1分で終わりだよ」と視覚的に示すことで、見通しを持たせ、スムーズな活動終了を促します。
まとめ
障害福祉サービス・放課後等デイサービスを始めとした対人支援職には、「子どもたちのことを考えたり、人にしかできない”人と人同士のコミュニケーション”をするための時間をどう作るか」という課題があります。生成AIをはじめとするツールを活用するのも、1つの効果的な手段につながるかもしれません。
ハッピーテラス柏教室では、現在「金曜:就労準備コース」「火曜:プログラミングコース」に空きがございます。発達障害の特性のあるお子さまの「就労・進路」にお悩みの小学校高学年~中学生・高校生の方がいらっしゃいましたら、些細なことでも結構ですのでぜひ、ご連絡ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回の更新もお楽しみに!
【ハッピーテラス柏教室】
メール:kashiwa@happy-terrace.com
電話:04-7160-1130

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