教室ブログ
言語理解の苦手さが子どもに与える影響
こんにちは。
東京都中野区の放課後等デイサービス「ハッピーテラス中野教室」です。
突然ですが、
・近隣の病院や教育センターで知能検査(WISC)を取ったが、説明を受けておらず、結果がどのようなことを表しているのかわからない。
・数値の高い低いは見たものの、日常生活においてどのような困り感とつながっているのかは不明である。
以上のようなお悩みをお持ちではないでしょうか?
WISCの結果に応じて、お子様に合った支援を受けたり苦手なことへの対策を考えたりすることが可能です。
WISCとは?と疑問に思った方は、ぜひハッピーテラス中野教室の12月のブログもあわせてご覧くださいね!
今回は、あるお子様の事例をもとに、WISCの結果からわかるお子様の得意と苦手、また、それらを踏まえたハッピーテラス中野教室での支援についてご紹介します。
ご家庭での関りで参考にしていただける部分もあるかと思いますので、ぜひ最後までご覧ください!
【今回の事例】
小学校低学年のお子様
得意なこと/強み
・説明や指示を聞き取り、実行すること
・ルールの理解とそのルールに従って活動やゲームに参加すること
・パターンブロックなどで決められた図形を作ったり地図や図形の読み取りをしたりするなど、視覚的な情報を整理すること
・初めての課題でも試行錯誤を繰り返し挑戦できること
・他者とのコミュニケーションのなかで自分の意見を話したり質問したりすること
・最後まで諦めずに活動に取り組むこと
苦手なこと/弱み
・複数の指示を記憶し続けること
・物事の優先順位を決め、実行すること
・注意を持続させることや場面や時間に合わせて切り替えること
お子様は、このような得意と苦手があることが検査の結果からわかっています。
それでは、次にこのような得意と苦手が、日常生活のどのような場面においてお子様の力を発揮することができるのか、困り感とつながりやすいのかについて考えていきます。
【日常生活において力を発揮できる場面と考えられる困り感】
ルールを守って活動に参加することや他者に質問したり相談したりできることは、今回のお子様の強みとしてあげられます。
そのため、集団活動への参加や他者と関係性を構築することにおいては力を発揮しやすいことが考えられます。
一方で、「体育着に着替えて校庭に集合してください。連絡帳は先生の机に出して、次の時間の準備とお手洗いを済ませてから集合してください。」のように1度に多くの指示があった場合、①着替えて校庭に行く②連絡帳を出す③次の時間の準備をする④必要であればお手洗いに行く、というタスクをすべて覚えておくことや、自分で順番を決めて取り組むことが難しい場合があります。そのため、連絡帳を出さずに校庭に行ってしまった、次の時間の準備をしていなかったため、次の授業に遅れてしまうなどが起こる可能性があります。
また、校長先生が話していたら「話を聞く時間」学校行事で観劇に行けば「観賞する時間」と、お子様にとってなにをする時間であるかが明確な状況であれば、集団のペースに合わせての行動に困難を抱えることが少ないと考えられます。
しかし、話し合いの中で意見を交換する場面や質問をしあう場面では、「質問がある人はいますか?」という問いかけを待たずに話始めたり、1度終わった議題に戻って質問をしたりすることが考えられます。このような、短時間で「話す」「聞く」の切り替えを求められる場面において、その場で話し合われていることやお子様が置かれている状況を即座に把握して行動に移すことが難しい場合があります。また、周囲から「もうその話は終わっているからね」や「なんでさっき言わなかったの?」などの声掛けがあると、何を話しているのかわからずに話し合いが進んでいた、話したいことを伝えられなかったなどと感じたり、どうしたら自分の意見を聞いてもらえるのかわからないといった困り感につながってしまったりすることが考えられます。
このように、お子様の力を発揮できる場面もあれば、反対にお子様が困り感を抱える場面もあります。
ご家庭でも、「さっき言ったことが1つしかできていない…」「なんで最後まで話を聞いてくれないの?」と感じたことはないでしょうか。
そこで、ここからは、ハッピーテラス中野教室で指導員がどのようにお子様と関わり、支援をおこなっているのかを紹介したいと思います。
【ハッピーテラス中野教室でおこなっている支援や配慮】
〇見通しが持てる声掛け
活動に入る前の説明では、「今から今日やることを説明します。そのあとに質問の時間を設けます。質問の時間になって、指名されたら質問をしましょう。」と導入をし、お子様の聞く時間と話せる時間がわかれていることを提示します。また、必要に応じて「今から3分で説明するよ。」「説明の紙は2枚あります。」など具体的な数字をお伝えすることもあります。
また、全体指示を行う指導員のほかに、個別で「あと1分で説明終わるから、そのあと質問しようね。」「今話していることが終わったら、今度はやってみる時間になるよ。」などとサポートをおこなう指導員を配置しています。
〇こまめなリマインド
プリント課題をおこなっている場面で、終わったら人から指導員のもとへ「記入したプリント・鉛筆・消しゴム」の3つを持って報告に行く場面があったとします。プリントに取り組む前に持ってくるべきものをお伝えするのではなく、プリントが終わりそうな様子が見られたら、お子様が席を立つ際など複数回持ってくるものを伝える場面を作っています。また、「先生のところに来る前に、3つの持ち物を確認してね」と促し、思い出す手がかりを増やすことやお子様が自発的に確認するきっかけ作りをしています。
上記2つの声掛けによって、「今は何をする時間か」「これからそのような活動をするか」の両方を整理したり、「どのように行動するか」を改めて確認したりする機会を設けています。
また、「今はこれをする時間だよ」「こうしないといけないよ」という押し付けをするのではなく、まずはお子様にどのような状況であるのかを知っていただけるよう意識して支援をおこなっております。
苦手なことを「できる」ようにサポートすることや、指導員の促しの有無に関わらず、「できた」ことをほめることで、「こうしたらいいんだな」「自分もできた!」という経験を積み、その経験を増やしていくことをねらいとしています。
〇座席の配慮
全体指示をおこなう指導員や活動内容を記載するホワイトボードの近くにお子様の座席を設定することで、集中が持続していなさそうな様子が見られた際には呼名する、ホワイトボードを確認するよう促すなどして再度注目を向けやすくする工夫をしています。
いかがでしたでしょうか。
ここまで、WISCの結果からわかるお子様の得意と苦手に合わせた支援や配慮をご紹介しました。
WISCでは、お子様の得意なことと苦手なことがわかりますが、検査時の環境やお子様の性格によって、お子様の持つ力が結果に反映しきれていないこともあります(初めての場所や検査者で緊張してしまい、思うように答えられなかった/ご家族と離れて検査を受けることが不安で、モチベーションを保てなかったなど)。
また、注意欠如・多動性障害(ADHD)や自閉症スペクトラム障害(ASD)などの発達障害や限局性学習障害(SLD)によって、本来持っていると思われるお子様の力が発揮されない可能性もあります(筆記に困難がある/お子様にとって納得できる答えを導き出したいという気持ちが強く、決められた時間内に課題が終了しなかったなど)。
そのため、同学年の他のお子様を基準に「できる」「できない」を決めるのではなく、お子様にとっての「得意」と「苦手」が何かを知っていくことが大切です。
ご不明点などありましたら、お気軽に中野教室までお問い合わせください!
今回もご覧いただきありがとうございました!
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