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発達障害の子どものトイレトレーニング|進め方のコツは?

更新日

発達障害のあるお子さまの場合、その特性によってトイレトレーニングがスムーズに進まないことがあります。
また、ADHD(注意欠如・多動性障害)とおねしょ(夜尿症)の合併は約3割と言われており、適切なアプローチをできるだけ早期におこなうことが大切です。

今回は、発達障害の特性に合わせたご家庭でのトイレトレーニングについて紹介をします。

アイキャッチ

トイレトレーニングが進まない原因

発達障害の特性は十人十色であり、トイレトレーニング(以下トイトレ)がうまくいかない原因も、お子さまによって異なることがあります。
トイトレを開始するタイミングとしては、下記の条件を満たした場合が良いといわれています。

  • トイレまで一人で歩いていける、トイレに座ることができる
  • 言葉での意思疎通ができる、「うんち」「おしっこ」「トイレ」の意味を理解している
  • おしっこの間隔が2時間以上空いている

これらの条件をクリアしているのに、トイトレがうまくいかない場合に、原因として考えられるケースを紹介します。他の原因がある可能性もありますので、あくまでも参考としてご覧ください。
お子さまの様子を観察し、どこにつまずきがあるのかを見極めるようにしましょう。

感覚特性がある

ASD(自閉症スペクトラム障害)の「感覚特性(感覚過敏・感覚鈍麻)」がある場合には、下記のケースが考えられます。

  • 聴覚過敏で「トイレを流す音や、手を乾かすジェットタオルの音」が苦手
  • 触覚過敏で「便座の質感」が苦手
  • 触覚鈍麻で「おしっこやうんちがでたこと」に気づかない、出る感覚が分からない

感覚過敏があると、トイレの「明るさ」「におい」「音」などに大きなストレスを感じてしまい、「トイレに行くこと自体が苦手」という子どもも少なくありません。
感覚鈍麻があると、トイレに行くタイミングがつかめないことがあります。特性に合わせた環境調整や感覚に慣れていくためのサポートをする必要があります。

トイレが流れる音を嫌がってトイレから出ていく男児

こだわりが強い

ASD(自閉症スペクトラム障害)の「こだわり特性」がある場合には、下記のケースが考えられます。

  • 決まった姿勢(適切ではない)でしかトイレができない
  • おむつからパンツに変わるという変化にストレスを感じる
  • 家でしかトイレができない
  • トイレットペーパーの種類やにおいにこだわりがある

自分が慣れている・落ち着く環境から変化を求められた場合に、強い抵抗感を示すことがあります。
今まで「おむつ」に自分の好きな「タイミング」「場所」「体勢」でしていたのに、急に「パンツ」に変わり、トイレでしなければならなくなることは、特性のあるお子さまにとっては大きなストレスです。

おむつからパンツに変わることだけではなく、特定の場所(部屋の隅やカーテンの後ろなど)でしかおしっこができない、四つん這いでしかうんちが出せない等のこだわりによるマイルールがあるお子さまの場合は、トイレで正しい姿勢で排泄することに慣れるまで時間がかかることがあります。

こだわり行動が、社会的な自立を目指すときに課題となるものである場合には、段階的に「できる」範囲を増やしていく練習を重ねていくことが大切です。

トイレが嫌だ!と言いながら、部屋の隅でおもらしする子どもと困る母親

夜尿症の傾向がある

夜尿症とは、「5歳以上で1か月に1回以上の頻度で夜間睡眠中の尿失禁を認めるものが3か月以上つづくもの」とされています。

ADHD(注意欠如・多動性障害)がある場合には、下記のケースが考えられます。

  • おしっこを我慢する機能(排尿をコントロールする前頭葉の働き)が弱い
  • 行動の抑制が苦手で、寝る前に水分を摂りすぎてしまう

これらの原因によって、睡眠中に無意識におしっこをしてしまうことがあります。
この場合には、泌尿科などに通院し、生活習慣の改善と薬物療法など医学的なアプローチを検討することが大切です。

医師の話を聞く父娘

ボディイメージが持てない

DCD(発達性協調運動障害)の「身体のコントロールの難しさ」がある場合には、下記のケースが考えられます。

  • おしっこやうんちが溜まっている感覚に対して鈍さがある
  • 排泄をするときにどこに力を入れたらよいかが分からない
  • 座ったまま力を入れることができない
  • トイレットペーパーでうまく拭けない

おまるのときは上手にできたのに、便座になった途端にうまくいかないときなどは、運動機能に課題がある可能性があります。
トイレに行きたいときではないタイミングで、「トイレに行く」「踏み台を使う」「トイレに座る」という動きの練習を何度も繰り返すようにしましょう。

発達障害のあるお子さまの場合、尿意・便意に気づくことが鈍いことがあるため、その感覚に気づいたときには、とても強い尿意・便意に焦ってしまい、普段通りにできなくなってしまうことが多いです。
実際にトイレをする前に、練習を繰り返して「身体を動かし方」を定着させることが大事です
立つポジション決めなども、”事前”に理解させておくようにしましょう。
焦っているタイミングで指示をしても、状況判断ができずに、混乱をして失敗をしてしまうことがあります。

おまるでトイレをする子どもを思い出しながら悩む母親と、トイレを汚してしまった子ども

保護者の方がトイトレをサポートする余裕があるときでないと、難しいことがあります。
トイトレを成功させるには、スモールステップに分けた練習とその反復練習が重要です。

トイレトレーニングのコツは?

一般的なトイトレの練習方法だけでは、習得が難しいことがあります。
お子さまのトイレが苦手な理由を踏まえて、スモールステップで段階的に、かつ繰り返し練習することがポイントです。
定着させることができるようになるまで、根気強く続けることが非常に重要です。

トイレを使うメリットを理解してもらう

そもそもトイトレをおこなう意味が理解できないお子さまもいます。
おむつのままでいること・おもらしをすることが「よくないこと」だと分からないために、なぜ嫌な思いをしてまで、練習をしなければならないのかが分からず、混乱したり、練習が嫌になったりすることがあります。

好きなキャラクターのポスターを貼って子どもが「好きな空間」にしたり、トイレに行けたらご褒美シールをあげるなど「うれしいことが起こる場所」にしたり、子ども向けトイトレ動画などを見せて「トイレでおしっこできるのがかっこいい」と理解させたりするようにしましょう。
トイレをポジティブなイメージ(自分にとってメリットのある場所)にできるよう、お子さまに合わせた工夫を取り入れていきましょう。

擬人化したウサギのキャラクターがトイレ成功して母が褒めるという絵本を見る子ども

段階的に慣らしていく

トイトレは言葉や練習だけでは習得が難しいことがあります。
まずは「出るときに気づく」からスタートし、「出そうなときに気づける」ようになることを目指しましょう。おしっこが出るときの感覚を学ぶことがファーストステップです。
また、「おしっこが出てしまったあとでも、一回トイレには連れていく」ことで「おしっこはトイレでするもの」と理解させることから始めるのもよいです。

また、前項でお伝えしたとおり、とくに感覚過敏のあるお子さまの場合は、トイレそのものの環境に抵抗感があるケースがあります。
まずは「パンツをはいたまま便座に座る」ができたあとに「素肌で便座に座る」、「水を流す音だけを聞く」など、環境に徐々に慣れさせることからスタートしていきましょう。
「明るさ」は電球の色、「におい」は防臭剤を置くなど、できるだけ本人の苦痛の原因となるものを少なくするサポートも必要です。

トイレをするときに必要な動作がうまくいかないお子さまの場合には、「パンツをはいたまま、おしりを拭く」「おむつをしたまま、うんちを出すために踏ん張る」など、感覚を掴むための練習をしましょう。

子ども用便座や踏み台を使うなどの一般的なトイトレに加え、特性に合った練習や工夫を組み合わせていくようにしましょう。

尿意に気づく子ども

「失敗」ありきで練習する

トイトレ中におもらしをしてしまったことを注意されたり、保護者の方にがっかりされたりすると、自己肯定感が下がってしまったり、トイレをすること自体に抵抗感や恐怖心を抱いてしまうことがあります。
トイレに間に合わずに、おしっこやうんちをしてしまった場合に「隠す」ということもあります。「隠す」ようになってしまった場合には、学ばせづらくなってしまうので、気を付けましょう。
「トイレ嫌い」にならないように、小さなことでも成功すればすかさず褒めるようにしましょう。

小さな成功体験を繰り返し、「こうすればよい」という感覚を徐々に身につけさせていくことが大切です。
一度できたとしても、次に失敗してしまうこともあります。気長に根気強く取り組んでいくようにしましょう。
行動が定着できるまで、お子さまのペースで少しずつ「できた!」を増やし、その都度褒めていくことが重要です。

トイレにあと一歩間に合わずおもらしした子どもと、前向きに接する母親

同年代のお友達は徐々におむつが外れてきているのに、うちの子だけまだ…と焦ってしまうこともあると思いますが、お子さまの発達段階に合わせ、段階的に成功体験を積ませることが大切です。

家庭以外で練習をすることも大事

最初は「家でトイレができるようになる」ことを目指していくのが一般的ですが、入園などの集団生活を見据えたときには「家以外でもトイレができるようになる」ことも重要です。
保育園や幼稚園では「園でも一人でトイレができること」が入園の条件であることが少なくありません。

近年では、加配保育士(障害のあるお子さまを対象に配置される保育士)がいたり、発達障害やその傾向のあるお子さまのサポートをおこなっていたりする園が徐々に増えてきていますが、通園可能な範囲になかったり、十分な支援が受けられなかったりするケースもあるようです。

入園を見据え、障害のあるお子さまの発達を支援する「療育」を提供する障害福祉サービスの利用を検討してみるのも選択肢のひとつです。

児童発達支援「ハッピーテラスキッズ」・放課後等デイサービス「ハッピーテラス」では、お子さま一人ひとりにとって“今”必要な療育を提供しています。
お子さまの課題や悩みごとについて、まずは相談してみませんか?

見学・体験は無料です。ぜひお近くの教室にお問い合わせください。


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