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発達障害のあるお子さまに多いゲーム障害|家庭での対策は?

更新日

コロナ禍の影響もあり、ゲーム障害(ゲーム依存症)の傾向がある未成年者が増加しているというニュースを多く見かけるようになりました。
世界保健機関(WHO)が、2019年5月にゲーム障害を正式に「疾患」として認定したこともあり、ゲーム障害の治療ができるクリニックが増えてきています。

今回は、「ゲーム障害」と発達障害の関係性と、ご家庭での対策について紹介します。前回のコラム「発達障害のある子どもは依存症になりやすい? 脳の特性との関係」とあわせてご覧ください。

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「ゲーム障害」とは?

ただ単に「ゲームをしすぎる」のではなく、日常生活や健康に支障が出るほどに「ゲームをやめられない」状態となる、いわゆる「ゲーム依存」の状態をいいます。
世界保健機関(WHO)による国際疾病分類「ICD-11」に、依存症のひとつとして「ゲーム障害」という病名で加わりました。

世界保健機関の「ゲーム障害」の定義

「ゲーム障害」の具体的な症状を説明します。

ゲームをする時間や頻度などのコントロールができない
日常生活やほかの関心ごとよりゲームを優先する
ゲームによって人間関係や健康などに問題が起きてもゲームを続ける

このような症状が12か月以上続けばゲーム障害と診断される可能性があります(症状が重い場合には、12か月未満でも診断されることがあります)。
引用:ICD-11国際疾病分類第 11 版

夜明けまでゲームをやり続けて眠たそうな子ども

「ゲーム障害」による問題行動

ゲーム障害による問題行動の例を紹介します。

生活リズムの乱れ(朝起きられない、昼夜逆転等)
引きこもり(学校を欠席する、部屋から出てこない等)
暴力行為(物を壊す、暴力をふるう等)

保護者の方の目を盗んで朝までゲームをしている、食事中や授業中も一日中ゲームのことを気にしている、ゲーム以外のことに興味を示さない、ゲームに関することで注意をすると激しく怒る、などの兆候が見られます。
何度注意をしても、ゲームの時間が減らない場合には、ゲーム障害の疑いがあると言われています。

ゲーム障害の治療は、カウンセリングや認知行動療法、デイケアや入院などがあります。
いずれも専門家のもとで「ゲームから離れた環境に身を置くこと」と「自分の現状を知ること」をおこないます。

ゲームで負けて癇癪を起こしゲームを叩き割る女子高校生とびっくりして引いている友達

「ゲーム障害」と発達障害の関係性とは?

発達障害の特性のあるお子さまは「ゲーム障害」になりやすい傾向があると言われています。
発達障害のある子どもは依存症になりやすい? 脳の特性との関係」でADHDの脳機能と依存症の関係性について説明しましたが、ADHDだけではなくASD(自閉症スペクトラム障害)のお子さまにもその傾向がみられることがあります。

「ゲーム障害」とまではいかなくても、「ゲームに過度に熱中してしまう」理由の背景になる特性について紹介します。

ASD自閉症スペクトラム障害  ADHD注意欠如・多動性障害  DCD発達性協調運動障害  

コミュニケーションが苦手 ASD

リアルな場でのコミュニケーションが苦手でも、オンラインであれば積極的に人と交流ができることがあります。
対面でのやり取りがないことや、共通の趣味のコミュニティを見つけやすいことから「居心地の良さ」を感じやすいのです。
このことからインターネット上でのコミュニティに執着することがあります。

こだわりが強い ASD

キャラクターやアイテムなどコレクション性が高いゲームであれば、収集癖のあるお子さまの場合には「何が何でも集めたい!」という欲求にかられることがあります。
感覚特性がある場合には、ゲームの「視覚的な刺激」に過度に入れ込んでしまうケースがあります。

好きなことに没頭しやすい ADHD

ASDの「興味の偏り」、ADHDの「興味関心のあることへの高い集中力」の対象が「ゲーム」の場合に、深くのめりこみやすくなります。
過集中がある場合には、疲労や空腹などにも気づかずに没頭してしまうため、ゲームをやめた途端に体調不良になることがあります。

行動をやめることが苦手 ASDADHD

ASDの「行動の切り替えの苦手」、ADHDの「行動の抑制の困難」の特性がある場合に、ゲームをやめて別の作業をおこなうことができないことがあります。
ご飯やお風呂、宿題など、やらなければならないことがあっても、区切りをつけることが難しいのです。

ストレスを感じやすい ASDADHD

特性によって「生きづらさ」を感じ、大きなストレスを抱えるお子さまは少なくありません。
また脳の特性により「ストレスを感じやすい」傾向を持っているケースもあります。
「依存症」になるきっかけの多くが、ストレスへの対処がうまくいかないことであると言われています。

「こだわりの強さ」「好きなことに没頭する」という特性は、ゲームをするうえでは優位に働くことがあります。
また、ゲームをすることで、クリアする達成感や、チームの一員として役割を認められる自己肯定感を高めることができます。
普段の生活で自信が持てないことから、自分の「得意」や「必要性」を見つけられた喜びを感じ、ゲームにはまってしまうことも少なくありません。
無理に「ゲームから引き離す」のではなく、「ゲームとの適切な距離感」を見つけてあげるためのサポートをおこないましょう。

ゲームをクリアしてドヤ顔をしてお母さんに報告する男児

私たちの運営する「ハッピーテラス」を利用するお子さまの中にも「ゲームが得意」な子どもはとても多いです。人から褒められることや人に教えることができる喜びを感じることで、自信を持つことができます。得意なことに没頭できることは、お子さまの長所としてとらえてあげるようにしましょう。

家庭での「ゲーム障害」の予防策は?

発達障害のあるお子さまの場合、特性を踏まえた適切なアプローチをおこなうことが大切です。
ゲームをしている最中に声がけをしても、効果が見られないことがあります。行動の切り替えが難しいお子さまの場合には「事前に」ルールを伝えておくことが大切です。場当たり的に注意をすることはやめましょう。

お子さまへの適切なアプローチの方法については、「発達障害のあるお子さまへの接し方・伝え方のコツ【事例で紹介】」「「発達障害のある子どもを叱ってはいけない」は間違い?正しい叱り方は」のコラムもぜひあわせてご覧ください。

STEP1 まずは話を聞いてみる

ゲームをすること自体を否定することはNGです。お子さまに寄り添い、ポジティブな表現で質問をしてみることからスタートします。最初から「叱るモード」で話をしてしまうと、お子さまが反発してしまい建設的な会話ができないことがあります。
まずは、ゲームにはまっている理由を聞いてみましょう。どんなところが楽しいのか、どうやったらレベルアップするのか、このキャラクターはどんな武器を使うのかなど、子どもが前向きに答えてくれるような質問をすることで、相手も興味を持ってくれていると子どもは感じます。
そのあとに、なぜゲームをやめられないのか、長時間取り組んでしまう理由はなにかを聞いてみます。徐々に深堀をしていくことで、ゲームに固執している理由が見えてきます。ストレスや対人関係の悩みなどからの逃避行動として「ゲーム」をしていることもあります。

ゲームをやめられない理由を確認してから、それに合わせたルールを決めていきましょう。

ゲームをすることは「よくないこと」ではありません。ゲームは「ストレス解消」だけではなく、「想像力・創造力」「論理的思考」「注意力」などを高めるメリットがあると言われています。

ゲームについて話を聞くお父さんと楽しそうに話す男子高校生

STEP2 事前にルールを決めておく

ルールが必要な理由をしっかりと説明することがポイントです。
ゲームのしすぎによって起こる問題(生活リズムや体調が崩れる、学校に行けなくなるなど)を、お子さまに分かりやすい表現で伝えるようにしましょう。そのうえで、ゲームの利用ルールをお子さまと話し合いながら決めていきます。

  • ゲームは一日●時間まで
  • 課金は月●円まで
  • 宿題を終わらせてからやる

など、お子さまが「守れそうな範囲」で設定をするようにします。
一日8時間やっているところを1時間に減らすことは難しい可能性が高いため、まずは「3時間、宿題のあと」などスモールステップでのゴール設定をしていきます。
徐々に「適切な使用頻度・時間」に調整していくことを目指します。

ちなみに、ゲームのしすぎで「視力が低下する」ことは証明されておらず、「眼精疲労」にはなるものの、視力への影響はないという説もあります。

ベッドから起きれないことを指摘するお母さんと「じゃあタイマーをつけて遊ぶ」と提案する女子高生

STEP3 ルールを守れたときは褒める

設定をしたルールが守れたときには、お子さまを必ず褒めてあげてください。
ゲームをやめた「そのタイミング」ですぐに声がけをすることがポイントです。
ルールを守ることを継続させるために、「1か月の間、1日1時間に減らすことができたら、土曜日は1日3時間までやっていい」などご褒美を設定するのもよいでしょう。

ゲームの使用時間や課金額などの記録を表でまとめると、視覚的に成果が分かりやすいので、お子さまにとっても達成感が高くなります。

壁に貼ってあるゲーム時間の表を見ながら、右肩下がりに時間が減っている表を見て褒める父親と喜ぶ男児

ゲームに依存してしまう原因へのアプローチが重要

ただ単に「ゲームの時間を制限する」だけでは、根本的な解決策にはなりません。
本記事や「発達障害のある子どもは依存症になりやすい? 脳の特性との関係」の記事の中で、発達障害の特性によって「依存症」になりやすい傾向があることについて説明をしましたが、原因となるのは特性によるものだけではありません。
依存症は、特に強いストレスを感じたときになりやすいと言われています。
依存症に直接関係する特性がないお子さまの場合でも、そのほかの特性によって、日常生活や学校生活で「生きづらさ」を感じていることは少なくありません。
「生きづらさ」によるストレスへの対策をすることが重要です。

困りごとや悩みを抱えている様子がないか、お子さまのことをしっかりと見つめ、学校でのこと放課後の過ごし方のことなど会話を積極的にするようにしましょう。

児童発達支援 ハッピーテラスキッズ」「放課後等デイサービス ハッピーテラス」では、発達障害の特性に応じた療育プログラムを提供しています。
特性対策だけではなく、ストレスとの付き合い方を学ぶためのサポートもおこなっています。

無料体験や相談も承っております。まずはお気軽にご相談ください。


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