教室ブログ
年中(4歳・5歳)で数が数えられないのは発達障害?数字の発達ステップとおうち遊び【前編】
こんにちは!
東京都中野区の児童発達支援事業所「ハッピーテラスキッズ中野ルーム」です。
今回は、「数/数字の理解の発達段階と、発達障害のあるお子様が正しく数えられるまでの支援ステップ」をご紹介します。
発達障害( 注意欠如・多動性障害(ADHD)/自閉症スペクトラム障害(ASD)/限局性学習障害(SLD))のあるお子様の中には、
・数字が読めない/数字に興味がない
・数字を覚えるのは得意だが、ものを数えることが苦手
・「1、2、4、5、、、」のように、正しい順番で数えることができない
・ものを1個ずつ数えることはできても、「何個?」という質問に答えられない
・ものを数えるときに、同じものを何回も数える/数え飛ばすなどのミスが多い
などの困難がよくみられます。
前後半の2回に分けて、
前編(今ココ!)「数、数字の発達段階」
後編(乞うご期待!)「発達障害や発達に凸凹のあるお子様への支援方法」
について解説していきます。
1、数概念の発達の目安
1-1 数・数字の基礎知識
ステップ①「数詞・数唱・もの」の対応
ここでは、数・数字の発達段階を知るうえで欠かせない
「数概念の3つの側面」についてご紹介します
数字の概念には、
・「1,2,3」などの数詞を読める
・「いち、に、さん」などの数唱ができる
・【「○ ○ ○」と「いち(1) に(2) さん(3)」の対応】などの1対1対応ができる
3つの側面があるとされています。
数詞
数詞とは、「1」「2」「3」などの「数字を表す文字記号」のこと。
文字を覚えて、どの文字が「1(いち)」「2(に)」なのかが分かる・読める力です。
限局性学習障害(SLD)に見られる「文字の形を正しく捉えて覚える力」が弱いお子様の場合、数字がゆがんで見えたり、フォントが変わると数字が読めなくなったりすることもあります。
数唱技能
数唱技能とは、「いち」「に」「さん」などの「数を表すことば」のこと。
3歳児(年少)で3~5まで、4歳児(年中)で10までの数を順番に数唱できるようになると言われています。
注意欠如・多動性障害(ADHD)に見られる「聴覚的短期記憶/ワーキングメモリ」が弱いお子様の場合、数字の順番がバラバラになったり、いくつまで数えたか分からなくなったりすることがあります。
ものと数字の1対1対応
1対1対応とは、「1つずつのものに、1つずつ数字を当てはめる力」のことです。
例えば、5個の積み木を数える場合、「いち、にい、さん、し、ご」と言いながら指をさしていくと思います。
「数える」ためには、ものを目や指で1つずつ捉え、それらに合わせて1つずつ数字を当てはめることが必要です。「もの」と「数字」を結びつけることが、数概念の基礎となっています。
注意欠如・多動性障害(ADHD)に見られる「不注意特性」や「ものを目で追いかける力」が弱い場合、数え飛ばしたり、同じものを何度も数えたりすることがあります。
ステップ②「集合数と順序数」
これらのステップ①、
・数詞
・数唱技能
・ものと数字の1対1対応
という3側面の理解がバランスよく進むことで、
「ものを数える」
「何番目?」
「何個あった?」
などの数概念(集合数・順序数)の理解
に繋がっていくとされています。
今回の支援事例は、このステップ①に焦点を当てて支援方法を紹介していきます。
1-2 数概念の発達の目安
よく保護者の方から
「数字は何歳ごろから教えたらいいの?」
「年中(4歳・5歳)で10まで数えられないのは大丈夫?」
「年長(5歳・6歳)で数字が書けない、時計が読めないのは発達障害?」
という不安の声を耳にします。
定型発達のお子さまの、「数字の理解」の発達段階には、
2歳児(プレ幼稚園・年々少)
・2個までの数を数える
3歳児(年少)~4歳
(前期)
・3個までものを数えられる(計数:「何個あった?」に答える)
・1から「3」まで順番に言える(数唱:「いーち、にーい、さーん…」と数唱する)
(後期)
・10個までものを数えようとする
・3個までものを取り出せる(取り出し:「○個とって」の指示がわかる)
4歳児(年中)~5歳
・1から「10」まで順番に言える
・10までものを数える
・10個までものを取り出せる
5歳児(年長)~6歳
・20程度の計数・数唱ができる
・「1個増えた・減った」など、簡単な足し算(5まで)の基礎が分かる
6歳児(小学1年生)~
・100までの数字が読める・数唱できる
・引き算ができる
・時計の理解(15分単位~5分単位)が進む
などの過程があると言われています。
ただし、数概念の理解・発達には個人差があるとされています。
すべてのお子様が、就学までに2桁の数字の理解ができるようになるわけではありません。
また、就学後6歳~7歳以降で「計算」や「数を伴う推論」、「ひっ算」などに顕著な苦手さが見られる場合、
(いわゆる)「算数障害」(限局性学習障害(SLD)の特徴の一つ)を疑われる可能性もあります。
2、おわりに
今回は「発達障害や発達に凸凹のあるお子様の、数の発達段階」についてご紹介しました。
お子様とかかわるうえで、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
後編では、ハッピーテラスキッズ中野ルームの支援事例をもとに、ご家庭でできる数・数字の指導方法や遊びについてご紹介していきます。
ハッピーテラスキッズ中野ルームでは、お子さま一人ひとりの発達段階に合わせた療育を提供しています。
興味がある方は、こちらまでお気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
後編もぜひ、ご覧ください。
【ハッピーテラスキッズ中野ルーム】
メール:kids-nakano@happy-terrace.com
電話:03-5328-1810
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