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ゲームをやめられない小学生・中学生|発達障害との関係は?原因と対処法を現役指導員が解説!
こんにちは!
千葉県柏市の放課後等デイサービス(中高生対象・就労準備型:プログラミングコース、e-Sportsコース、就労準備コース)
「ハッピーテラス柏教室」です。
「子どもがゲームをやめられない・・・」
「1日何時間ゲームをしていたらゲーム依存症ですか?」
「ゲームを取り上げると暴れる小学生(・中学生)の子どもに、どう声を掛けたらいいのでしょう?」
こうした、「ゲームに夢中になる」お子さまに関するご相談が数多く寄せられています。
特に、ADHD(注意欠如・多動症)やASD(自閉症スペクトラム)など発達障害の特性(・発達特性)があるお子さまの場合、その背景には脳の仕組みが関係していることも少なくありません。例えば、ADHDのあるお子さまが得意なゲームがある一方で、ゲームのしすぎで起こる症状(寝不足、学習意欲の低下、癇癪(かんしゃく)など)に悩む保護者の方も非常に多いのが実情です。
この記事では、放課後等デイサービス「ハッピーテラス柏教室」の「eスポーツコース」の例を参考に、「ゲームをやめられない原因」を特性との関係から分かりやすく解説します。そのうえで、ご家庭で今日から実践できる上手なゲームとの付き合い方やルールの作り方を、具体的な支援事例を交えてご紹介します。
目次
1.【今回の事例】「あと1回」が終わらない…Aさんのケース
2.ゲームに夢中になるのはなぜ?発達障害の特性との関係
3.今回行った支援&家庭でできる!ゲームとの上手な付き合い方
4.まとめ
1.【今回の事例】「あと1回」が終わらない…Aさんのケース

【小学5年生・Aさん(仮名)】
診断名:注意欠如・多動症(ADHD)/不注意優勢型
ご利用コース:プログラミングコース/e-sportsコース(週2回)
【ご相談内容】
学校から帰るとすぐにゲームを開始。「あと1回!」が口癖で、気づけば夕食の時間を1時間も過ぎていることもありました。心配した保護者の方がコントローラーを取り上げようとすると、激しくキレて泣き叫んでしまうため、「このままゲームばかりしていて将来はどうなるのか」と強い不安を感じていらっしゃいました。
2.ゲームに夢中になるのはなぜ?発達障害の特性との関係

Aさんのようにゲームをやめられない背景には、発達障害の特性が影響していることがあります。
詳しくは「発達障害のある子どもは依存症になりやすい? 脳の特性との関係」や「発達障害のあるお子さまに多いゲーム障害|家庭での対策は?」の記事もご覧ください!
ADHD特性と「即時報酬」の魅力
ADHDの特性があるお子さまは、実行機能の「抑制機能」に困難があることがあります。例えば、「待つこと・終わること(静止)」や「衝動を抑えること(制止)」が苦手な傾向があります。また、アクションゲームやパズルゲームなど、短い時間で「レベルアップ」「アイテム獲得」といった報酬(ご褒美)がすぐに得られるゲームは、衝動性を刺激しやすく、得意なゲームと感じることも多いです。
ゲーム中は脳内でドーパミンという快感物質が放出されます。特にADHDのお子さまの場合、このドーパミンが不足しがちと言われており、それを補うようにゲームの刺激を求め続けてしまう「報酬系の誤作動」が起きやすいのです。
ASD特性と「こだわり行動」
ASD(自閉症スペクトラム)の特性があるお子さまは、「勝ち負け」や「一番」へのこだわりが非常に強いことがあります。また、決まった手順やルールがある活動に安心感を覚えるため、規則性が明確なゲームの世界に没頭しやすい傾向があります。
ゲームに負けた時に癇癪(かんしゃく)を起こしたり、パニックになったりするのは、「負けを受け入れられない」という気持ちの切り替えの難しさや、「自分が勝つまでやり直す」といった「自分だけのルール(こだわり)」が背景にあることも多いです。
心理的な要因:自己肯定感の低下
発達障害の特性により、日常生活(学校生活や友達付き合い、勉強など)で失敗体験が重なると、自己肯定感が低くなってしまうことがあります。その結果、ゲームの世界で強く達成感や有能感を得られるようになり、「ゲームが自分の居場所」と感じてしまうケースもあるかもしれません。これが「ゲームをやめられない原因」となり、ゲーム依存につながることもあります。
ポイント
「ゲームの利用時間が長いからADHDになる」わけではありません。しかし、発達障害や、発達障害のような特性が強くみられる場合、日常生活でお子さまの困りごとがより強くなってしまうケースがあるため、悩んだら早めに相談することも重要です。
3.今回おこなった支援&家庭でできる!ゲームとの上手な付き合い方

ハッピーテラスでは、Aさんの「ゲームをやめられない原因」がADHD特性による「切り替えの難しさ」にあると考え、ご家庭と連携しながら以下のサポートをおこないました。
「やめる」こと自体をゲームにする
「ゲームをやめなさい!」と頭ごなしに叱るのではなく、「やめる」という行動そのものをミッションのように設定しました。具体的には、タイマーを使い「タイマーが鳴ったら10秒以内にセーブして電源を切る」というミッションを設定。クリアできたら「すごい!」「できたね!」と思い切り褒めることで、ゲームの勝敗とは別の達成感を味わえるようにしました。
具体的な「行動」を褒める
褒める際は、「えらいね」と漠然と伝えるのではなく、「タイマーが鳴ってすぐに立ち上がれたね!」「自分で電源ボタンを押せたのが素晴らしい!」のように、できた行動を具体的に言葉にして伝えることが効果的です。これにより、お子さま自身も「何が良かったのか」を理解しやすくなり、自己肯定感が高まります。これは、勝ち負けへのこだわりが強いASDのお子さまにも有効な方法です。
見通しが立つルール作り
お子さまと一緒に、誰が見ても分かる具体的なルールを作り、紙に書いて目につく場所に貼ることをお勧めします。Aさんのご家庭では、教室で使っているのと同じタイムタイマー®を導入し、時間の経過を視覚的に分かりやすくしました。
【ルール例】
- ゲームは宿題と明日の準備が終わってから
- 平日は〇時~〇時まで。休みの日は〇時間まで
- 終了時間になったら自分で電源を切る。もし続けたい場合は、終了1分前までに相談すれば5分延長OK!
「約束を守れない」のは、悪気があるのではなく、ADHDの特性である「不注意」や「衝動性」が原因かもしれません。「守れる仕組み」を一緒に作ることが大切です。
その後のAさん
こうした取り組みを3か月続けた結果、Aさんは自分からゲームを終了できるようになり、癇癪を起こす回数も劇的に減少しました。保護者の方からも「ゲームをやめさせる言葉を探してイライラすることがなくなり、親子関係も良くなりました」という嬉しいご報告をいただいています。
4.まとめ
「ゲームがやめられない、ゲームが終われない」「ゲームばかりする子どもの将来が不安」…そんなお悩みは、特別なことではありません。特に発達障害のあるお子さまの場合、その特性を理解し、禁止するのではなく「上手に付き合う」ための工夫を一緒に考える専門家の視点が役立つことがあります。
★まずはお気軽にお問い合わせください★
お子さまのことでお悩みの保護者の方は、ぜひハッピーテラス柏教室にご相談ください。お子さま一人ひとりに合った支援を提供し、「できた!」の体験を積み重ね、自信を育むお手伝いをしています。
ハッピーテラス柏教室では、現在「金曜ー就労準備コース」「火曜ープログラミングコース」に空きがございます。お子さまの就労・進路にお悩みの小学校高学年~中高生の方がいらっしゃいましたら、些細なことでも結構ですのでぜひ、ご連絡ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回の更新もお楽しみに!
【ハッピーテラス柏教室】
メール:kashiwa@happy-terrace.com
電話:04-7160-1130

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