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言葉が遅い年少さん、オウム返しや自発的な要求がなくても大丈夫。発達の特性に応じた療育でできること
「うちの子、もうすぐ4歳になるのに、まだあまりおしゃべりしない…」
「『お茶飲む?』と聞いても、『お茶飲む?』って繰り返すばかりで、自分の気持ちを言葉にできない…」
お子さんの言葉の遅れやコミュニケーションの課題に、不安を感じていませんか?
今回は、年少さんの男の子、Aさん(仮名)の発達の特性と、ハッピーテラスでおこなった具体的な支援、そしてその後の成長についてお話しします。AさんのようなASD傾向のあるお子さまを持つご家族にとって、この記事が少しでもお悩み解決のヒントとなれば幸いです。
Aさんのケース:具体的なエピソード
Aさんは、幼稚園の年少さんクラスに通う男の子です。園の先生からは「お友達とはあまり関わろうとせず、一人でミニカーを並べて遊んでいることが多い」と伺っていました。ご自宅では、ママが「お茶飲む?」と聞くと、そのまま「お茶飲む?」とオウム返しで答え、自分から「お茶が欲しい」と伝えることはありませんでした。
おもちゃで遊びたいときも、言葉で要求するのではなく、ママのそばに来て、ただじっと見つめているだけ。ママが「どうしたの?おもちゃ?」と尋ねると、ようやくおもちゃの場所まで手で誘導するような様子でした。自発的な要求がほとんどなく、コミュニケーションの取り方に悩まれている様子でした。
困りごとの背景にある特性とは

Aさんに見られた、オウム返しや自発的な要求の少なさは、ASD(自閉症スペクトラム障害)のお子さまによく見られる特性のひとつです。
言葉を音として捉え、聞いた言葉をそのまま繰り返すことを**「エコラリア(反響言語)」**といいます。これは、言葉の意味を理解することが苦手だったり、どのように返事をしていいかわからなかったりする場合に起こります。また、自分の要求を言葉にして伝えることが苦手なため、ジェスチャーや行動で表現しようとすることがあります。
このような特性は、お子さんの意思や気持ちを表現するうえで大きな壁となります。Aさんのケースでは、言葉の意味や、言葉を使って相手に自分の気持ちを伝えるという**「コミュニケーション」**のルールを理解することに課題があると考えられました。
発達の目安とAさんの現在地
3〜4歳(年少)の一般的な発達の目安では、二語文や三語文を使って自分の要求を伝えたり、「なぜ?」「どうして?」と質問したりするようになります。また、お友達と簡単なやりとりをしながら遊ぶことが増えてくる時期です。
Aさんは、一般的な目安と比べると、言葉の発達に遅れが見られましたが、言葉の意味をゆっくりと理解し、少しずつ自発的な発語を増やしていくための**「療育」が有効だと判断しました。ハッピーテラスでの支援**では、Aさんのペースに合わせて、段階的なアプローチを試みることにしました。
ハッピーテラスでおこなった支援と、その後の成長
ハッピーテラスでは、まずAさんの特性を深く理解することから始めました。言葉の発達を促すために、一方的な言葉かけではなく、お子さんとの**「相互的なコミュニケーション」を大切にした支援**をおこないました。

【具体的な工夫】
1. 実況中継で言葉の意味を伝える Aさんがミニカーで遊んでいるとき、スタッフは「ミニカー、走ってるね!」「ミニカー、トンネルに入ったよ!」と、Aさんの行動を言葉で実況中継しました。これにより、ミニカーの行動と「走る」「トンネル」といった言葉を関連付けて覚える練習をしました。
2. 絵カードとジェスチャーで要求を促す おやつや遊びなど、Aさんが興味を持つ場面で、絵カードとジェスチャーを使って「おやつ、食べる?」「ブロック、遊ぶ?」と質問しました。Aさんが絵カードを指したり、うなずいたりする行動を促すことで、言葉以外の方法で**「要求」**を表現する経験を積みました。
3. クローズドクエスチョンで答えやすくする Aさんが、何かを求めてじっと見つめてくるときは、「〇〇が欲しいの?」と、答えが「はい」か「いいえ」になるクローズドクエスチョンを投げかけました。これにより、Aさんが発語やジェスチャーで反応しやすくなり、コミュニケーションの成功体験を積むことができました。
【その後の成長】
支援を始めて数ヶ月後、Aさんに少しずつ変化が見られました。 「お茶、飲む?」と尋ねると、「うん」と小さくうなずいてくれるようになり、欲求が満たされると笑顔でスタッフを見てくれるようになりました。さらに、おもちゃで遊びたいときは、絵カードを指さしたり、スタッフの袖を引っ張って伝えようとすることも増え、自発的な要求の行動が見られるようになりました。
Aさんの**「言葉」はまだ少なくても、コミュニケーションへの意欲が芽生え、少しずつ「伝える楽しさ」**を感じられるようになったのです。

まとめ:一人で悩まず、まずはご相談ください
お子さんの言葉やコミュニケーションの課題に直面すると、「このまま言葉が出ないのではないか」「どう対応したら良いのだろう」と、ご家庭だけで悩みを抱え込んでしまう保護者の方は少なくありません。
発達に課題のあるお子さまへの**「支援」**は、早期に始めることで、成長の可能性を大きく広げることができます。
ハッピーテラスでは、一人ひとりのお子さんの**「特性」や「発達」段階に合わせたオーダーメイドの「療育」を提供しています。言葉やコミュニケーションの課題は、適切なアプローチで「サポート」すれば、お子さんの「行動」や「言葉」**に変化が見られます。
「うちの子も、Aさんと似ているかも?」と感じた方は、ぜひ一度ハッピーテラスにご相談ください。専門のスタッフがお子さんの状態を丁寧にヒアリングし、ご家族に寄り添いながら、お子さまの成長をサポートします。

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