

発表会の練習を嫌がるのはなぜ?園での困りごと・理由と家庭でできるサポート・親の心の持ち方
幼稚園や保育園で発表会やお遊戯会の練習が始まると、「園に行きたくない」と登園しぶりを始めたり、練習の話題を出しただけで激しくかんしゃくを起こしたりすることがあります。
周りのお友達が楽しそうに取り組んでいるように見えると、「どうしてうちの子だけ…」「わがままを言っているのではないか」と悩んでしまう保護者の方も少なくありません。しかし、子どもが発表会の練習を拒絶する背景には、本人の甘えや性格の問題ではなく、発達特性や感覚・認知のアンバランスに起因する明確な要因が隠れているケースが多く見られます。
ここでは、発表会の練習場面において子どもの心と身体にどのような負荷がかかっているのか、主な5つの理由を詳しく紐解いていきます。
1. なぜ発表会の練習を嫌がるのか?子どもの心と身体で起きている5つの理由
子どもが発表会の練習を拒否したり、参加できなくなったりする背景には、単なる「わがまま」や「甘え」ではなく、発達特性に起因するさまざまな困りごとが存在している可能性があります。

- 感覚過敏(音・光・触感など)による強い苦痛
大音量の音楽やマイク、照明、衣装の肌触りなど、過敏さがあるお子さまにとっては強い刺激となり、大きな負担になることがあります。 - 「見通しの不確かさ」とスケジュールの変化への不安
いつものルーティンが崩れることで強い不安を感じやすく、「いつ・何をやるか」が見えないとパニックにつながる場合があります。 - 行動の切り替えやマイルール・こだわりの強さ
「いつも通り過ごしたい」というマイルールがあると遊びからの切り替えが難しく、無理に進めると拒否感が強まることがあります。 - 模倣(真似をする)動作や協応動作(DCD)の苦手さ
動きを真似たり手足を連動させたりすることが苦手な場合、振り付けが分からず自信をなくしてしまうことがあります。 - 情報過多による脳の混乱と注意散漫
周りの動きや声、視線などの情報が一気に入ると脳の処理が追いつかず、注意散漫になったり混乱したりしやすくなります。
2.園生活・練習場面でどうする?園に相談したい環境調整と合理的配慮
集団生活の負担を減らし、お子さまが少しずつ無理なく練習に馴染んでいくためには、家庭内だけで抱え込まず、保育園・幼稚園との協働が欠かせません。
園にお願いする配慮は、決して「特別扱い」を求めるものではなく、お子さまが過度なストレスを感じずに集団へ参加するための「環境調整と合理的配慮」です。園側の業務負担にも配慮しつつ、具体的かつ実現性の高い相談ポイントを共有していきましょう。
- 見通しを「可視化」する
絵カードや写真のスケジュール表を使い、「絵本の後に10分練習」など具体的に伝えることで見通しが立ち、安心感が生まれやすくなります。 - 具体的でシンプルな指示
「ちゃんとやって」などの曖昧な言葉は避け、「青いシールの位置に立つ」のように、具体的かつ1回に1つの指示を伝えてもらうよう配慮をお願いしてみましょう。 - スモールステップで参加
「まずは座って見学」「最初の1曲・短い時間だけ」など、無理のない段階を踏んで少しずつ慣らしていく方法が効果的です。 - 感覚刺激の緩和とクールダウンの場
音対策のイヤーマフ使用や照明の調整のほか、疲れたり落ち着かなくなったりした際に静かに過ごせる休憩スペースを確保してもらうことも有効です。 - 園・家庭・療育の三者連携
家庭と園だけで抱え込まず、児童発達支援などの専門スタッフを交えて情報共有を行い、支援の方針を揃えていくとお子さまの安心につながります。
3. ご家庭でできるサポートのコツと安心できる関わり方
家庭は、発表会の緊張や疲れを癒やす「安心できる安全基地」であることが大切です。家での無理な練習は避け、安心感を高める関わりを意識してみましょう。

- 家庭は「疲労を回復する安全基地」に徹する
園での練習で多くのエネルギーを消耗しているため、家では過度な練習を求めず、好きな遊びに没頭できる時間(スペシャルタイム)を確保して心をしっかり休ませます。 - 写真や「発表会ごっこ」による見通しの補強
舞台の写真や絵カードで当日の流れ(着替え→待機→舞台)を可視化します。ぬいぐるみをお客さんに見立てた「ごっこ遊び」感覚で、楽しくリラックスして全体のイメージを掴ませましょう。 - 小さな「できた!」を3秒以内に具体的に褒める
「動画を1曲見られた」「ポーズがとれた」など、小さな行動が見られた直後(3秒以内)に「手がピッと伸びてかっこいいね!」と具体的に肯定し、自己効力感を育みます。 - かんしゃく・パニック時は静かに見守る
興奮している最中の説得や叱責は避け、周囲の安全を確保したうえで落ち着くまで静かに待ちます。完全に落ち着いてから「疲れたね」「嫌だったね」と気持ちを受け止めましょう。 - 「会場に行けただけで100点」とハードルを下げる
「衣装を着られた」「舞台袖で見学できた」など、参加のプロセスすべてが成果です。完璧に踊ることだけをゴールにせず、当日の登園しぶり時も無理強いは避けましょう。 - 舞台袖での対応を園と事前共有しておく
泣いたり固まったりした際に無理やり押し出さない合意を取り、「舞台袖で手をつなぐ」「客席から見る」など柔軟な参加形態を準備しておきましょう。
4. 【事例紹介】ハッピーテラスでの支援とその後の成長
発表会前の強い不安と音への苦手さから、練習への参加を激しく拒否していた年中・Aくん(ASD傾向)への支援事例です。

ハッピーテラスでの取り組み
・絵カードとごっこ遊び:当日の流れを視覚化し、事業所内で「発表会ごっこ」をおこなって見通しと楽しさを定着。
・スモールステップと即時称賛:「1つの決めポーズ」に課題を絞り、できた直後(3秒以内)に具体的に褒めて自信を育成。
・園との三者連携:大音量対策としてイヤーマフの着用許可と、疲れたときに逃げ込めるクールダウン場所の確保を園に共有。
その後の変化
当日はイヤーマフをつけ、舞台の端で笑顔で決めポーズを披露。「できた!」という成功体験がお子さまの大きな 自信になり、保護者さまも「周りと比べず、この子の歩幅を認める大切さに気づけた」と安心感を取り戻されました。
発表会の練習を嫌がるのは、子どもが苦手な刺激や環境の変化と一生懸命に向き合っているSOSサインです。
- 園との連携:スケジュールの可視化やイヤーマフなどの環境調整(合理的配慮)をお願いする
- 家庭での関わり:無理な自主練は避け、心を休める「安全基地」に徹する
- ゴールの再定義:完璧な演技を目指すのではなく、その子なりの挑戦のプロセスを認める
ご家庭と園だけで抱え込まず、児童発達支援事業所などの専門機関を上手に頼りながら、お子さまのペースに合わせた一歩を温かく見守っていきましょう。
【一人で悩まず、まずご相談ください】
お子さまの行動には必ず理由があります。
「どうしてこんなことをするんだろう」とご家庭だけで抱え込まず、早期に専門の支援機関を頼ることは、お子さまの可能性を最大限に引き出す大切な第一歩です。
児童発達支援「ハッピーテラスキッズ」では、療育の専門指導員がお子さま一人ひとりの特性をしっかりと理解し、小さな「できた!」を積み重ねる(スモールステップ)療育サービスを提供しています。
柏市在住の方はもちろん、周辺の以下のエリアにお住まいの方もご利用いただけます。
- 千葉県: 松戸市・流山市・我孫子市・印西市・鎌ヶ谷市・白井市・野田市
- 茨城県: 取手市・守谷市
「うちの子、少し気になるかも…」「どこに相談したらいいかわからない」という方も、まずはお気軽にご相談くださいね。

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