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ハサミが苦手…発達障害によるもの?現役指導員のサポート術

更新日

ハッピーテラス現役指導員(支援スタッフ)が、リアルな支援の現場で実践している、お子さまサポートテクニックをご紹介します!
発達の気になるお子さまの「苦手あるある」ごとに、どのようなサポートをしてあげればよいのか?どんな工夫ができるのか?を、実際に教室でおこなった支援事例を紹介しながら、ポイントをわかりやすく説明します。

「ハサミがうまく使えず、どんどん曲がっちゃう…」
実はこの「苦手」、発達障害の特性によるものであることがあるのです。
今回は飯田が、Aちゃん(5歳)の事例を紹介します。

ハサミを使うのが苦手

ハサミを使った作業に苦手さがあり、線どおりに紙を切ることができませんでした。ハサミを入れた直後は点線通りに切れるのですが、少し進むとどんどん曲がってしまいます。

Aちゃんの作業時の「目の動き」に注目したところ、紙をもつ指とハサミの「手元だけ」に意識が向いており、その先の線(切っていくべき方向)が見えてないことに気づきました。
「線のはじめを見るんじゃなくて、線の終わりを見ながら切ってみよう!」という促しをおこなったところ、線にそってまっすぐ切ることができるようになりました。

Aちゃんの場合、ハサミが苦手な理由として「視野の切り替え」がポイントとなることがわかりました。
ハサミを使う場合には、焦点を絞って見る「ハサミで切る部分」と全体像を見る「ハサミを動かす方向」の両方を意識する必要がありますが、狭い視野と広い視野の切り替えが苦手なお子さまは、どちらか一つの視野でしか作業ができていないケースがあります。

視野の切り替えの支援

Aちゃんは、これまで手先を使った作業をするときに使用していた「視野」が「焦点を絞る」ことであったため、無意識のうちに視野を狭めた状態だけで作業をおこなっていたことが「ハサミが苦手」に繋がっていることが分かりました。状況や場面に応じた「視野の切り替え」ができるようになることを目指す支援をおこないました。

実践内容

まずは、手元に集中する「狭い視野」を使うために、作業の前に「切るところを、先生と一緒に指でなぞってみようか!」と声掛けをし、スタートからゴールまでの導線を確認してもらいました。

次に、全体を見る「広い視野」を使うために、「スタートとゴール、全部をいっぺんに見てみよう、どんな感じかなー」と全体像を把握することを促しました。

サポート時のポイント「ステップは一歩ずつ」

視野の使い方や視線の先を口頭で教えるだけ、では「視野の使い方」を習得することはできません。
小さなステップ設け、一歩ずつ「できた!」を積み重ねることが大切です。

実践内容

最初は、作業をする際にはどこを見てどのように切るかを一つの工程ごとにお子さまの隣で寄りそって教えます。

次に、サポートなしでどこまでできるかを確認します。できた場合には、具体的にどこが良かったかを伝える(褒めている対象を明確にするために、「できた」その場でタイムリーに、できるだけ具体的に伝えることがポイントです)ようにしました。

もっとできる!と増やすためには?

ハサミ以外にも「視覚の切り替え」が必要な作業があります。例えば、机上での「遊び」でいうと、「点つなぎ」や「迷路」があげられます。

さまざまな作業や場面において、狭い視野・広い視野の使い分けができるようになるために、まずは「遊び」を通して、練習をおこないます。ハサミを使った作業ができるようになってきたら、次は「点つなぎ」でもチャレンジしてみるなど、ひとつの作業ごとに繰り返し実践をしていくことで「視野の切り替え」を定着させることを目指していきます。

Aちゃんの場合は、ハサミを使った作業が苦手な理由が「視線の切り替え」の難しさでしたが、お子さま一人ひとり苦手な理由は異なります。
お子さまを注意深くみることで、その原因が見えてきます。

お子さまの「できた!」を増やすために

発達に課題のあるお子さまは一人ひとり「苦手」を感じるポイントやその理由が異なります。
一人ひとりにとって適切なサポートをおこなうことが大切ですが、なかなかご家庭だけでは難しいところもあると思います。

ぜひ一度、お近くのハッピーテラスに相談にお越しください。ハッピーテラスでは、お子さま一人ひとりに寄り添い、「苦手」を「できる!」に変える支援をおこなっています。
まずは、お子さまのことお聞かせください。
ご相談やご質問はもちろん、オリジナルプログラムの体験会、一日の流れや支援内容を説明させていただく見学会のご案内もおこなっております。

総合お問い合わせ窓口、もしくはお近くの教室にお気軽にお問い合わせください

先生紹介:竹友先生

子どもたちの「できた!」を大切に明るく楽しい療育を実践していきます!

教育学部のある大学に在籍し、在学中の実習で障害福祉の分野に興味を抱き、ハッピーテラス柏Ⅱ教室、我孫子教室の児童指導員として発達に課題のあるお子さまの支援に携わる。
現在はハッピーテラス我孫子教室の教室長を担当。
【保有資格:発達障害学習支援シニアサポーター】


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