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発達障害の子どもはルールが苦手?つまずきポイントの発見が大切

更新日

ハッピーテラス現役指導員(支援スタッフ)が、リアルな支援の現場でおこなわれている、お子さまサポートテクニックを紹介します!

発達の気になるお子さまの「苦手あるある」ごとに、どのようなサポートをしてあげればよいのか?どんな工夫ができるのか?について、実際に教室でおこなった支援事例を紹介しながら、ポイントをわかりやすく説明します。

ルール通りに「ゲーム」ができない…ルールは理解しているのだけど、実際にやってみると間違えてしまう。なぜルール通りに遊べないの?
今回は杉本が、Bくん(6歳)の事例を紹介します。

ゲームをルール通りに進められない

Bくんは「しりとり」のトレーニングが苦手でした。一人ずつ前にでて、ホワイトボードに物の名前を書き、しりとりをしていくのですが、自分の番で書くべき言葉ではなく、その前の生徒の言葉を書いてしまうことが見られました。例えば、いす→すいか→という流れでBくんは「か」から始まる言葉を書かなければならないところ、「す」から始まる言葉を書いてしまいます。

Bくんの様子を観察してみると、目や耳から入る情報が多い場合に、混乱が起こることに気づきました。そこで、Bくんがホワイトボードに書きに行く前(席に座って順番待ちのとき)に、サブ支援員が画用紙にしりとりの頭文字を書き、見る対象が画用紙に限定されるようにして、続く言葉を考えるようにすると、Bくんは「かめ」と答えを導くことができました。その画用紙を見ながら答えを書くように伝えると、ホワイトボードの前の生徒が書いた言葉に引っ張られずに「かめ」と書くことができました。

Bくんは、しりとりのルールは理解しているものの、前のお子さまが書いた言葉を見たり聞いたりすると、その言葉にひっぱられてしまうという傾向が見られました

ルールは分かっているのに、ルールどおりにできないというケースは少なくありません。なぜルールに従うことが難しいのか?何がつまずきになっているのか?理由やポイントを見極めることが大切です。

Bくんの場合には、

  • 注意の切り替えが苦手で、ある1点に過剰に意識が向いてしまう
  • 目や耳から入ってくる情報がたくさんあると、混乱してしまう

この2点が理由であることが分かりました。

注意の向け方の支援

Bくんの場合は「自分の前の生徒の書いた言葉」に対して、過剰な注意が向いていることがわかりました。過剰に注意が向いている対象から意識を離し、注目すべきポイントに意識を向かせるためのサポートをおこないました。

実践内容

まず、画用紙にしりとりの続きである「か」を書くことで、ホワイトボードにある「自分の前の生徒の書いた言葉」から注意を離すようにしました。注意が向きすぎていたものから物理的に距離を離して書くことがポイントです。

次に、「か」という文字に注意を向けてほしいことを伝えるために、画用紙に書いた文字を指しながら「『か』から始まる言葉を考えてみよう」と言葉ではっきりと伝えました。

複数の工程がある遊びへの苦手・情報量の調整

Bくんが、ゲームをルールどおりに進めることが難しい原因のもう一つが「情報量の多さ」でした。お子さまによって、一度に処理できる情報量はさまざまです。しりとりのゲームには、「ホワイトボードに単語を書く」「単語のあとに→を書く」「前の人が書いた単語の最後の文字から始まる単語を考える」という複数の工程があり、それが全部ホワイトボードに書かれていたために、Bくんにとっては情報量が多かったと考えられます。

実践内容

対応内容は同じ「画用紙を使い、ホワイトボードから目を離す」ことですが、これは情報の整理をする際にも有効です。

Bくんは、「ホワイトボードに単語を書く」「単語のあとに→を書く」という行動を前のお子さまを真似することに意識が集中してしまい、そのあとの「前の人が書いた単語の最後の文字から始まる単語を考える」ことが抜けてしまっていました。意図的に意識を他の場所に向けさせることによって、Bくんが「真似る」という意識を一度リセットして、「考える」という余力を作ることができるようにしました。

もっとできる!を増やすためには?

Bくんの場合は、「しりとり」以外にも、「カルタ(カードがたくさんある中で聞いた言葉のものを探す)」や「すごろく(さいころを振る、自分のマスを進ませる)」などの「注意の切り替えがある」「工程が複数に分かれている」というゲームが苦手でした。

今回紹介した「しりとり」の事例のように、注意を適切に向けるためのサポートと、一つひとつの工程に分解をしてBくんの理解のスピードに合わせて示す、という支援をおこなっています。

「注意の切り替え」は、さまざまなゲーム等を通じて繰り返し練習をおこなうことで、徐々に定着させることができます。

ゲームのルールは分かっているのに、なぜできないの?その理由は2つの障害特性による「苦手」がありました。お子さまを注意深くみることで、その原因が見えてきます。

お子さまの「できた!」を増やすために

「凸凹があるお子さまの苦手あるある対策」のコーナーではご家庭でも実践できるサポートテクニックを紹介しています。

発達に課題のあるお子さまは一人ひとり「苦手」を感じるポイントやその理由が異なります。一人ひとりにとって適切なサポートをおこなうことが大切ですが、なかなかご家庭だけでは難しいところもあると思います。

ぜひ一度、お近くのハッピーテラスに相談にお越しください。ハッピーテラスでは、お子さま一人ひとりに寄り添い、「苦手」を「できる!」に変える支援をおこなっています。

まずは、お子さまのことお聞かせください。
ご相談やご質問はもちろん、オリジナルプログラムの体験会、一日の流れや支援内容を説明させていただく見学会のご案内もおこなっております。

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先生紹介:杉本先生

各教室で実際にあった支援事例をもとに、お子さまの苦手へのサポート方法を伝授します!

日本体育大学 体育学部 社会体育学科卒業。
大学では、障害者スポーツや、養護学校での実習等を通して子どもから大人まで多くの方と関わってきました。現在は、放課後等デイサービス ハッピーテラス芝浦教室の児童指導員として、発達障害が気になるお子さまの支援を担当。


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