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発達障害のある子どもとプログラミング|なぜ相性がいい?

更新日

発達障害のあるお子さまの習い事として「プログラミング」の人気が年々高まっています。
多くのメディアなどでも、発達障害の特性との相性がよいと注目されていることもあり、「得意なことを見つけてあげたい・伸ばしてあげたい」とプログラミング学習を検討されている方も多いのではないでしょうか。

「特性を活かせる」という文脈では「ASD(自閉スペクトラム症)」が取り上げられがちですが、実は「ADHD(注意欠如・多動症)」のお子さまにも向いていることがあります。

この記事では、なぜ相性が良いのか・どのような特性が活かせるのか、そしてプログラミング学習が子どもたちにどのようなメリットをもたらすのかを、支援員のインタビューや具体的な事例を交えて解説します。

発達障害×プログラミング、なぜ相性がいい?

プログラミングは、発達障害の特性を「強み」として活かせるだけでなく、特性による「苦手」との付き合い方を学べると言われています。

パソコンでプログラムを組んでいる男児

まずは「発達障害」と「プログラミング」について簡単に説明します。

発達障害とは

発達障害は、生まれつきの脳機能・神経系の障害で、代表的なものにASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動症)などがあります。また、障害による特徴を特性と言います。
同じ診断名であったとしても、特性は十人十色です。さらに、診断名とは異なる特性が併存していることも多くあります(例:ASDの診断だが、ADHDの特性「衝動性」がみられる等)。

発達障害特性の図

プログラミングとは

プログラミングとは、コンピューターに指示を出すことです。実行したいことをプログラミング専用の言語を使って、順番に指示書を作成するもの、ととらえてもらうとイメージしやすいと思います。動作させるためには、正しい記述(コード)を正しい順序で書いていくことが必要です。

小学校から高校まで、段階的にプログラミング教育が必修化されていることから、ご存じの方も多いと思います。お子さま向けのプログラミング学習では、難しいコードを使わずに、ブロックを組み合わせて視覚的にプログラミングができるツール「Scratch(スクラッチ)Ⓡ」などが使われることが多いです。

スクラッチを使ってプログラムを組む子どもたち

発達障害の「特性」というと、困りごとや苦手な部分に目がいきがちですが、実は「強み」になる可能性もあります。

プログラミングに活かせる特性

発達障害の特性の中には、プログラミングにおいて強みとなるものが多くあります。
発揮できるポイントとあわせて、代表的な例を紹介します。

特性を活かしてプログラムを組む男児

①ルールへのこだわり

POINT決められたルールに従って手順通りに作業を進められる

「融通が効かない・柔軟な対応ができない」などの困りごととしてとらえられがちな「ルールへの強いこだわり」ですが、ルールを遵守すること・決まった通りに物事を進めることへの適性はプログラミングにはぴったりです。

②反復的な作業への適性

POINT定型的な作業に地道に黙々と取り組み続けられる

「同一性(同じ状態であること)へのこだわり」は、決まった作業を繰り替えしおこなうルーティン作業で強みを発揮することがあります。

③高い集中力

POINT作業への注意を持続できる

集中力は、「書く→試す→エラーを修正する…」というサイクルが連続するプログラミングには欠かせないスキルです。たった1文字の打ち間違いでエラーが起こり、さらにエラーの原因を特定する必要があるため、根気よく注意を向け続ける必要があるためです。

この「高い集中力」は、実はASDとADHDでは発揮できるポイントが異なります。
詳しくは「ASDだけじゃない!ADHD特性が活かせることも」で紹介します。

④興味のあるものへの強い関心

POINTプログラミングへの高い学習意欲

プログラミングは、ツールを使えば簡易的に実装ができますが、0から記述をするためには、言語やコードなどの知識習得が必須です。IT技術は日々進化するため学習を続けることも必要です。
プログラミングへの興味が持てれば、強みを発揮できるでしょう。

⑤論理的思考

POINT物事を矛盾なく筋道立てて考えられる

コンピューターに適切な指示をするためには、物事を分解し、順序立てて組み合わせ、最適な手順や方法を導き出すスキルが必要です。事実に基づき客観的にとらえることや、物事の規則性を好む傾向は論理的思考力の土台となりやすいです。

プログラミングへの興味度合いやお子さまの性格など、さまざまな要因によって「向き不向き」が異なりますが、上述したポイントに合致する特性を持っている場合にはプログラミングが「得意」になる可能性は高いと言えるでしょう。

プログラミング学習を行う児童と先生

ASDだけじゃない!ADHD特性が活かせることも

前項で、プログラミングには「高い集中力」が必要不可欠なスキルだとお伝えしました。
ADHDの子どもは「集中することが苦手」ではないか?と思われる方も少なくないのですが、実は、興味関心のあること・好きなことであれば、類まれなる集中力を発揮することができるのです。

ADHDがある方は、快感や多幸感を与える神経伝達物質「ドーパミン」が不足しています。
一方で、興味関心がある対象に対しては、ドーパミンが非常に多く放出されることがあります。普段ドーパミンが少ない分、極端に多くのドーパミンが放出されるということです。

ADHDがある方の通常の状態
ADHDがある方の好きなことをする時の状態

興味関心のある物事に対しては、定型発達やASDの子どもよりも高い集中力を持つことがあるため、プログラミングを好きになってもらうことができれば「強み」になる可能性が高いと言えます。

発達障害×プログラミングについて聞いてみた|指導員インタビュー

発達障害のある子どもたちにプログラミングを教えている指導員にリアルな情報を聞いてみました。

【指導員プロフィール】Y先生

児童発達支援「ハッピーテラスキッズ」で約4年、放課後等デイサービス「ハッピーテラス」で約1年間、発達障害のあるお子さまへの支援に携わってきました。 現在は柏教室で中高生向けのプログラミングコースを担当。独学でDX・AIを学び、ITを活用した業務効率化ツールの開発や、AIを取り入れた支援プログラムの企画にも取り組んでいます。 「ITを通して、子どもたちが自分の“得意”に気づき、自信を持てるような支援」をおこなうことを目指しています。

プログラミング学習はなぜおすすめ?

発達障害のあるお子さまの習い事として「プログラミング学習」をおすすめする理由は、
①特性が強みになる
②特性をカバーできる
③失敗を繰り返せる

の3つです。

①特性が「強み」になる可能性がある

プログラミングに活かせる特性」で紹介した通り、お子さまの特性が強みになることがあります。

自分の「得意」を見つけることで、自己肯定感が高まったり、自信が持てるようになったり、学校生活や日常生活にも良い影響がみられることはとても多いです。

放物線グラフの解き方を教える女子中学生

②特性による苦手をカバーできる可能性がある

プログラミングをする際によく使われる「オンライン」というコミュニケーションスタイルは、対面で話すことが苦手なお子さまに向いていることがあります。アイコンタクトや表情の読み取りの重要性が低いことや、文字でのやりとりができることで、オンラインであればスムーズにコミュニケーションがとれるというお子さまは少なくありません。

プログラミング学習の中で特性への対策を身につけることもできます。例えば、「注意の切り替え、人との関わり方、集中力の継続、適切なコミュニケーション」等です。ゲーム感覚で楽しみながらも「苦手」に向き合う機会を作ることができます。

チャットでコミュニケーションをする女児

③失敗を繰り返せる

失敗を何度でも繰り返せること、失敗を取り返すためのハードルが低いことは、最大のメリットとも言えます。

日常生活における「失敗」は取り返せなかったり、やり直しに時間がかかったりすることがあります。例えば、交友関係(友達への失言など)や図工(思った通りにできずに作り直すなど)などです。過去の経験から「失敗したらどうしよう」と不安が募り、前向きに物事に取り組めなくなってしまうお子さまは少なくありません。

プログラミングは、ミスをしたとしてもすぐに直すことができます。さらに、「失敗したときにどうするか」の選択肢が限られており、正解への道のりが明確です。対人関係における選択肢は多岐にわたり、相手や場面によって正解が変わることもありますが、プログラミングにはルールがあります。

失敗を繰り返し、試行錯誤しながら「完成」にたどりつくことで、結果として成功体験を積むことができます。

エラーに気づいて修正する男児

さらに「プログラミングにおける失敗」ならではの良い面があります。

  • 相手が「人」ではない:フィードバックするのはコンピューターであるため、叱られたりがっかりされたりしない
  • 「修正ありき」の世界:バグやエラーが起こるのは当たり前、原因を探して直すという文化が根付いている
  • 結果が即反映される:取り組んだ結果(成功or失敗)が視覚的にすぐに反映されるため、ADHD特性があるお子さまも継続して取り組むことができる

「安心して失敗できる」環境で、試行錯誤を繰り返す経験をすることで、「挑戦する意欲」や「粘り強く取り組む姿勢」を身につけることができます。

プログラミングを学ぶメリットは?

発達障害のあるお子さまがプログラミングを学ぶ「価値」は、
①強みを伸ばす
②苦手への付き合い方を学べる
③自信を身につけられる
④ITへの興味関心を高められる

の4つです。

①強みを伸ばすことができる

特性による強みを育んでいけば、プログラミングだけでなく、日常生活や学校生活でも活かせる「強み」になることがあります。
例えば、「論理的思考」を養うことで、以下のようなスキルが身につけられるようになります。

  • 効率的かつ正しい順序で作業に取り組む
  • トラブルが起こったときに原因を切り分け検証する
  • 会話の構造化(結論から述べて、理由を端的に説明する等)
会話の構造化を利用し、プレゼン発表を行う男子高校生

②苦手への付き合い方を学べる

プログラミング学習の中に、「集中力を継続させる」「適切なコミュニケーション(報告連絡相談)を学ぶ」「行動の切り替えをスムーズにおこなう」など特性対策を習得するトレーニングを取り入れることもできます。
ハッピーテラスでは、楽しくプログラミングを学びながら、特性への苦手への対処法を身につけるトレーニングを実施しています。詳しくは「Q.プログラミングコースで身につくスキルは?」で説明します。

イヤーマフをつけてテストを受ける男子中学生

③「自信」を身につけられる

自分が作ったプログラムが思い通りに動いたときの達成感はひとしおです。
失敗を繰り返しながらも、粘り強く取り組み、成功をするという経験を通じて「自分にもできる!」と自己肯定感を育むことができます。
成功体験や他者から褒められる経験を繰り返すことで、自分に自信が持てるようになり、プログラミング以外のことにも前向きに挑戦できるようになるお子さまもとても多いです。

自分で作ったプログラムを見せる男児と、それを褒める父親

④ITへの興味関心を高められる

プログラミングを学ぶことは、パソコンの操作方法を習得するだけではなく、プログラマーという仕事やIT業界への興味を持つきっかけにもなります。
IT化が進む現代社会では、プログラミングスキルが就職時の強みになることがあります。

将来プログラマーの仕事をしてみようかと考える男子高校生

IT人材の需要は今後も高まると言われており、将来の職業選択の幅を広げるためにも「プログラミング」をはじめとするITスキルは武器になると言えるでしょう。

プログラミングに向いている子どものタイプは?

特性だけでなく、お子さま一人ひとりの興味関心や性格によって「向き不向き」があります。
「向いている」中で、「特性が強み」になるパターンと、「苦手な特性がカバー」できるパターンがあります。

向いているお子さまのタイプ

特性による強みを育んでいけば、プログラミングだけでなく、日常生活や学校生活でも活かせる「強み」になることがあります。
例えば、「論理的思考」を養うことで、以下のようなスキルが身につけられるようになります。

  • 特性や性格が活かせる可能性がある
    • 一つの物事に集中できる・没頭できる
    • こだわり(規則性を好む、特定の対象への執着等)が強い
    • ゲームやオンライン動画プラットフォーム(YouTube等)への興味関心がある
    • 特定の教科だけ強い、得意と苦手の差がある
  • 特性による苦手がカバーできる
    • 視覚優位…口頭での説明を聞くのは苦手だが、図やイラストなど視覚的な情報があれば理解できる
    • 場面緘黙症…言葉でのコミュニケーションは苦手だが、文字やビジュアルでのやりとりはできる
    • 限局性学習症…読み書きに苦手があるが、ビジュアルプログラミングなら視覚的に理解できる(読字障害)・ツールを用いることで苦手をカバーできる(書字障害)等
    • 不登校…対人コミュニケーションに苦手意識があるが、オンラインではスムーズにやりとりできる
ゲームで1位になったことを母親に自慢する男児

向いていないお子さまのタイプ

お子さまのタイプによっては、プログラミング以外の学習に取り組むことがおすすめなケースもあります。

  • かんしゃくを起こしやすい、短気な性格(うまくいかなかったときにフラストレーションを抱える)
  • 言語や因果関係の理解に苦手がある(知的水準によっては、PC操作や作業の理解でつまずきが生じることがある)

知的な遅れがある場合、「原因と結果」のつながり(因果関係)を理解するのが苦手なことがあります。
プログラミングはそのつながりを考える作業の繰り返しであるため、お子さまとって大きな負担になる可能性も。ストレスや自信をなくすことにつながってしまうケースも少なくないため、向き不向きを慎重に見極める必要があります。

実際の支援プログラムの内容は?

ハッピーテラスでおこなっているプログラムについて紹介します。
ハッピーテラスでは「プログラミングコース」と「就労準備コース(働くために必要なスキルや知識を学ぶコース)」の2つのコースを設けており、お子さまや保護者の方の希望に沿って参加していただいています(約2割の方がコースを併用)。

各コースのプログラム内容は、お子さまの学年や時期によって異なりますが、一例を紹介します。

  • プログラミングコース
    • タイピング(ブラインドタッチ)&PCスキル(データ入力などオフィスソフトを使った作業)
    • 週間テーマ(例:穴埋め式で取り組めるプログラミング課題)
    • レクリエーション(オンラインでのコミュニケーションやルールを学ぶことを目的とした遊び。例:チャット機能を使ったしりとり)
  • 就労準備コース
    • タイピング(タッチタイピング)&PCスキル(データ入力などオフィスソフトを使った作業)
    • 週間テーマ(例:「自己理解」「金銭管理」「得意・苦手」「働く意味」)
    • レクリエーション(チームワークや他者との関わり方を学ぶことを目的とした遊び。例:チームで紙を積み上げるペーパータワー)
放課後等デイサービスでプログラム学習を行う風景

ハッピーテラスのプログラミングコースは、将来働くために活かせる知識・経験を身につけるだけではなく、自立した社会生活を送るために必要なソーシャルスキルを「ITを通じて」育むことを目指しています。

ハッピーテラス プログラミングコースの強み

 特性への困りごと解消に繋がる体験を積む
「集中できる時間が伸びた!」「手を止めて指示を聞けるようになった!」など、「できた!」を増やしていきます。

 帰属意識を持ち、人と関わることの楽しさを学ぶ
人と一緒に作り上げる楽しさを体感することで、チームで物事に取り組む姿勢やモチベーションを身につけていきます。

 人から認められる経験を通じて、自信を身につける
成果物を作り上げるだけでなく、成長したポイントを他者から褒められた経験を繰り返すことで自己肯定感を育んでいきます。

プログラミング学習を取り入れている療育サービスでも施設によってプログラム内容はさまざまです。
詳しくは放課後等デイサービス(放デイ)とは?|基礎知識|2024年版をご覧ください。

プログラミングコースで身につくスキルは?

プログラミングスキルだけでなく、社会生活に必要なスキルを育みます。
社会で活躍するためには、プログラミングスキルを高めるだけでは不十分であると考えています。お子さまの将来の自立のためには、コミュニケーションスキルや特性対策を身につけることも重要です。
日々のプログラミング学習を通じ、特性による困りごとへの対処法を学んだり、社会性を高めたりすることを目的とした支援を取り入れています。

支援内容例

お子さまに合わせて、以下のような課題を日々のトレーニングに取り入れていきます。

  • 適切なコミュニケーション(自ら相談をする姿勢、声がけのタイミング、相手に分かりやすい話し方等)
  • 注意の切り替え(時間になったら作業をやめる、人の話を聞くときは手をとめる等)
  • 見通しを持てるようになる(ゴールに向かって手順を計画する、作業時間の予想と結果のギャップを振り返る等)
  • ルールへの意識(指示書通りにプログラムを組む、ルール外のことをしたいときに相談や交渉をする等)

学校生活だけでは育めない「ソーシャルスキル」や「特性対処力」を身につけられるのが、「放課後等デイサービス」です。学校生活の充実さも実現できるようなサポートをおこなっていきます。

プログラミングコースでの支援事例

実際のハッピーテラスでの支援事例を紹介します。
プログラミングスキルを育むことだけでなく、日常生活・学校生活での困りごとに対して、プログラミング学習を通じてアプローチをしたケースです。
自己肯定感を高めながら、できることを増やすことを目指す支援をおこないました。

小学校5年生 Aさん

特性による苦手

 指示を最後まで聞けない、衝動的な言動をする
 興味のあることに没頭しすぎる(過集中)傾向がある
 コミュニケーションが苦手で、その場の空気や会話の流れなどが読めない

具体的な困りごと

 学校での学習に興味が持てず、授業中に姿勢を崩したり立ち歩いたりすることがある
 パソコンが好きで、作業を始めると指示が一切聞こえない、やめられないことがある

実際の支援内容

目的①:適切なコミュニケーションの取り方を学ぶ
自ら指導員に頼ること、適切に相談をすることの必要性を理解してもらうことからスタート。
一人では解決できない=人に相談をしながら進めなければならない状態を意図的に作ることで、「物事を達成するためには、自分勝手に進めるのではなく人に頼ることが必要」だということを経験の中で学べるように促しました。質問をするときのルール(順番を待つ、声がけをしてから質問をはじめる、適切な言葉遣い等)を設けたことで、コミュニケーションにおけるマナーを習得することもできるようになりました。

目的②:問題行動の改善
学校生活の中で「座ったまま集中することができない」「質問ができない」という課題がありましたが、トレーニングの中では「無意識に、できているとき」がありました。良い行動を定着させるために、「すごく集中できているね!」「先生に質問できたね!」と即座にかつ具体的に褒めるようにしました。「良い行動をすれば褒められる」という経験を積み重ねることで、意識的に適切な行動をとることができるようになりました。

トレーニング中に分からないことを質問する男児と、それに答える先生
現在の様子

これまでは「自分の要求」という一方的な関わり方をしていましたが、トレーニングを通じて「自分の目的(プログラム完成)を達成するには、相手に相談し、協力をする」という双方向のコミュニケーションがとれるようになってきました。プログラム完成や指導員からの賞賛の声などの成功体験を積み重ねたことで、自信を身につけることもできています。
学校生活の中でのコミュニケーションにも良い影響が出ており、先生に自分から質問をしたり、クラスメイトに自分から得意科目を教えてあげたりする場面もみられるようになったとのことです。

中学3年生 Bさん

特性による苦手

 口頭で伝えられた情報を記憶するのが苦手
 複数の作業を同時に指示されたときに混乱することがある

具体的な困りごと

 口頭の指示だけでは、作業内容や成果物のイメージを持つことが難しい
 複数の情報が飛び交う「集団での会話」についていけないことがある

実際の支援内容

目的①:成功体験を積み、プログラミングへの興味を育む
直感的に視覚でとらえられるビジュアルプログラミング「Scratch(スクラッチ)」を教材として使うことで、特性によって苦手な作業を最小限にしつつ、成功体験を積むことからスタート。 指示を細かなステップごとに分けて出し、作業を見ながら真似ることで、達成しやすい環境を作りました。「手順通りにやる」「見て真似る」という得意な方法で、「できた!」という達成感を味わってもらうことを最優先にし、プログラミングへの意欲を持ってもらうことを最初のゴールに設定しました。

目的②:自己理解を深め、特性への工夫をする
まずは、お子さまが得意な方法で成功をした瞬間に「一つひとつ、指で確認するとうまくいくね」「手順通りにコツコツ進めるのが得意だね」など、できているポイントや強みを明確に伝えることで、お子さま本人が「苦手への工夫の仕方」「得意なこと」に気づく機会を意識的に作りました。 自己理解が段階的に深まってきたことで「自分は記憶するのが苦手だ」という発言が見られるようになったため、「忘れないようにメモを書く、一つずつ質問をする」等の具体的な対処法を考えて実践することに、指導員のサポートを受けながらチャレンジ。プログラミング学習を通じて見つけた自分の特性と対処法を、日常生活や学校生活にも取り入れることができるようになりました。

自分で作ったプログラムをチェックリストを見てチェックする男児
現在の様子

自分自身の特性への理解を深めることができ、「自分はワーキングメモリが低いから、口頭の情報を記憶するのが苦手。だから視覚的な情報やメモが必要だ。」と、苦手なことと必要な工夫を具体的に説明できるように。学校生活の中でも、担任の先生に「口頭での説明は抜け漏れがあるので、大事なことは紙に書いてほしい」と自ら配慮の依頼をすることができるようになりました。自己対処として、分からないことを聞き返す・スマホのメモ機能を使うなどの工夫も取り入れられています。
自分の「得意」を活かせる分野への興味が広がり、「PCスキルを専門的に学べる大学へ進学」を進路に決定しました。

将来の「就職」するときの強みになることも

プログラミング学習で得たスキルは、将来の就職活動時の武器になります。
具体的にアピールできるポイントとしては以下などがあります。

  • プログラミングスキル
  • 物事を成し遂げた経験、粘り強さ
  • 自分の強み・得意を活かした経験
  • 弱み・苦手への工夫をした経験

自己肯定感を高め、自分に自信が持てるようになることで、日常生活や学校生活にも良い影響が出てくるでしょう。

まずはハッピーテラスのプログラミングコースの見学・体験会に来てみませんか?
ハッピーテラス柏教室は、主に中学・高校生を中心に、発達が気になるお子さまを対象とした「就労準備型」の放課後等デイサービスです。
「働くための準備」と「プログラミング・ITスキルの習得」を重点に置いたプログラムと、お子さま一人ひとりに合わせたアプローチで「自信」を持たせ「自立」を目指す療育をおこなっています。
詳しくは柏教室(就労準備コース/プログラミングコース)をご覧ください。

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