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【保護者向け】発達障害×働く|仕事選びをサポートするときのポイント

更新日

発達障害のあるお子さまの将来を考える中で、「就職をして、自立した生活を送ってほしい」と願っている保護者の方も多いと思います。

発達に課題のあるお子さまが「働く」を目指すときに、ご家庭でおこなうべきサポートについて紹介します。今回は、就職活動の第一歩である「職業選択」をサポートするときに、保護者の方が押さえておくべきポイントについて解説していきます。

進路を決めるときに、子どもの意思を尊重することはもちろん大切ですが、発達障害のあるお子さまの場合には、それだけではなく、具体的に選択肢を与えることも必要なことがあります。

発達障害のあるお子さまへの「仕事選び」の適切なアドバイスとは?

お子さまと就職の話になったとき、「あなたのやりたいことを目指しなさい」「何をやってもいいよ」とアドバイスをする方も少なくないと思います。保護者の方としては「なんでもやらせてあげたい」「子どもの可能性を信じてあげたい」という前向きな気持ちで伝えていても、そのアドバイスは、発達障害の特性があるお子さまには、適切ではないことがあります。

特性に応じた「家庭内での就職サポート」をするときに、気を付けておきたいポイントを、言ってしまいがちな「NGワード」例に沿って紹介します。

NGワード①「何でもやりたいことを」

「どんな仕事を目指していい」「興味のあることを仕事にしなさい」など、お子さまに“無限の選択肢”があるような伝え方は避けましょう。

NG理由①
「何でもいい」「好きなことをやればいい」と無限の選択肢を与えてしまうと、将来の見通しを立てる(想像したり予測をしたりする)ことができなくなり、かえって混乱してしまうことがあります。

NG理由②
「何でもいい」という言葉を文字通りに受け取ってしまうことがあります。実際には「実現可能性のある仕事の中で」や「常識の範囲内で」という前提条件があると思いますが、特性によってそれを理解することができないことがあります。

NG理由③
そもそも、本当に「何の仕事でもいい」と考えている保護者の方は少ないのではないでしょうか。「この仕事はしてほしくない」「この選択肢の中で選んでほしい」という本音があると思います。しかし、その本音を察することや、「何の仕事でもいい」が建前であることを理解することが難しいことがあります。

業界・職種理解が進んでいないお子さまは「働くイメージ」がほとんどついていません。とくに、見通しを立てることが苦手なお子さまの場合には、「何でもいい」と言われると、どうしたらよいのか途方に暮れてしまうことがあります。

また、「何でもいい」と言ったのに「この仕事はダメ」と制限をしてしまうと、「嘘をついた」ことになりかねません。それによって、親子の信頼関係が揺らいでしまうことがあります。言葉を文字通りに受け取る、言葉にしていない意図を察することが苦手なお子さまの場合には、とくに注意が必要です。お子さまの「得意・苦手」や性格を踏まえて、“現実的な選択肢”を提示したうえ、まずはその中から希望を聞いたり、「あなたには●●が向いていると思うよ」などと提案をしたりするようにしましょう。

発達障害の特性のあるお子さまには「何でもいい」という言葉が、かえって大きな負担になることがあります。お子さまにとって「現実的」な選択肢を考えるためには、保護者の方自身が「就職」や「障害者雇用」等に関する情報を集めることが大事です。

就職職種の選択肢を提示するお父さんと話を聞く女子高校生

NGワード②「好きなことを仕事に」

NGワード①「なんでも好きなことを目指していいよ」と近しいのですが、その仕事に就くことが現実的でない場合には、その理由を明確に伝える必要があります。

NG理由①
たいていの場合、「好きなこと」を「仕事にすること」はとてもハードルが高いです。例えば、ゲームが得意であったとしても、ゲーマーとして生計を立てられるのは一握りの人です。安定した収入を得られる可能性が低いことや難易度の高さを伝える必要があります。

NG理由②
「好きなこと」が「得意なこと」であるとは限りません。例えば、料理を作ることが好きでも、上手かどうかは別です。手先の器用さや手際の良さがなければ、仕事にすることは難しいでしょう。練習をすれば上達する可能性があるとしても、「好きなこと」がうまくいかないときに感じるストレスはとても大きく、自信を失い、挫折してしまうことは少なくありません。

NG理由③
「好きなことを仕事にする」ことを勧めると、こだわり特性がある場合、仕事選びの選択肢がかなり狭くなることがあります。適性があったとしても、本人が「好き」ではない場合、選択肢に入らなくなります。例えば、「清掃員」に適性があり、良い条件の求人があったとしても、「掃除は嫌いじゃないけど好きでもない」場合に、候補から外れてしまいます。

「好きなこと」と「仕事」は別軸で考えなければなりません。「好きなこと」を仕事にできればもちろんベストですが、現実的にはうまくいかないことも多いでしょう。

仕事にすることができる「得意なこと」を、お子さまと一緒に考えることが大切です。

「好きなことに携われる会社」に就職できたとしても、実際に働くとなると自分の理想と現実のギャップが大きいことがあります。好きなことは仕事にせずに「趣味」として楽しむ選択肢についても教えてあげましょう。

エンジニアとしてキラキラ働いている自分を想像しながら残業して疲弊している社会人

NGワード③「迷惑をかけない」「誰でもできる」

特性による「苦手」や「できない」ばかりに注目をして、「周りに迷惑をかけない仕事を選びなさい」「あなた”にでも”できる仕事がいいよ」などネガティブな面からのアドバイスをするのは絶対に避けましょう。

NG理由①
障害による特性で本人にはどうしようもないことなのに、「迷惑をかけないようにする」と教えることは苦痛でしかありません。言葉を文字通りに受け取るお子さまの場合には、対処のしようがないことでも「迷惑をかけないようにしないと!」と考えすぎてしまい、引きこもりなどに発展することもあります。

NG理由②
「得意」「できる」を重視した仕事選びをしない場合、就職したあとに「仕事での達成感」を感じられなくなってしまうことがあります。

NG理由③
ネガティブな言葉ばかりを並べられると、お子さまの自己肯定感が下がってしまいます。「働くこと」に前向きになれなくなることで、「チャレンジしてみよう、頑張ってみよう」という意欲がなくなり、「働ければなんでもいい」など極端に消極的になることがあります。

お子さまの自己肯定感を下げずに、働くことに前向きになれるようサポートすることを心がけましょう。悪気なく発した言葉だったとしても、お子さまを傷つけてしまうことがあります。

障害の有無を問わず、誰しも人に迷惑をかけてしまうことはあります。「迷惑をかけてしまっても、感謝を忘れないこと。自分ができることで恩返しをすること」を教えるようにしましょう。

特性を踏まえて仕事を選ぶことは大事ですが、「苦手」「できない」よりも「得意」「できる」をより重視して、お子さまに向いている仕事を見極めることが大切です。

発達障害のあるお子さまの場合、過去の失敗体験から自分に自信が持てないことがあります。「自分はダメな人間だ」「社会から必要とされていない」と自己肯定感の低い発言が見られたときには、得意なことに実際に取り組んでみて、「できる!」という実感を持たせてあげて、こちらからもそれを評価する(○○が早くできたね等)ようにしましょう。

一緒にパン作りをしながら焼きあがったパンをお母さんが味見して「おしい」と言われ、ドヤ顔の男児

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