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子ども本人への発達障害の告知。いつ・どう説明すべき?

更新日

発達障害のあるお子さまへの「障害告知」について悩んでいる保護者の方は少なくありません。
障害があることを伝えることで傷ついてしまうかも、知らないほうが幸せなのでは…と不安がある方、まだ早い気がする、本人が違和感を持つまでは言わなくていいのでは…と告知するタイミングを迷っている方もいらっしゃると思います。今回の記事では、お子さまへの障害告知のポイントについて解説します。告知の「タイミング」だけではなく、告知前の「土台作り」も重要です。

子どもへの障害告知に関する研究結果はまだまだ少なく、自己肯定感を下げずに伝えるのに最も適切なタイミングについて学術的な知見ははっきりしていません。
本コラムでは、支援の現場を見つめてきた私たちハッピーテラスとしての意見を紹介します。

アイキャッチ

障害告知のタイミング

発達障害のあることをお子さまに伝えるタイミングとして多い場面を紹介します。
お子さまのライフイベント(進学・就職等)があるときや、障害特性による困りごとが見られたときなど、「障害」について説明が必要とされるタイミングで告知することが多いようです。

告知のタイミングの例

  • 支援学級に進むとき
  • 進路(進学・就職)を考えることになったとき
  • 放課後等デイサービスの通所をはじめるとき
  • 本人が違和感を持ったり、障害特性による困難さを感じたりしたとき
  • 学校教育で「障害」について学んだとき

「〇歳になったら伝える」など事前に告知のタイミングを決めているケースは少なく、伝える必要性が出てきたときに説明をするケースが多いようです。

子どもに障害のあることを説明する両親と不安げな顔で聞く子ども

障害告知をするときのポイント

お子さまの自己肯定感を下げずに「発達障害のあること」を説明するためには、「タイミング」と「伝え方」に注意をする必要があります。

タイミング

 子どもが失敗しているときはNG

特性による苦手で失敗をしたタイミングで、障害のことを説明しようとする方が少なくありませんが、お子さまが自信を失っている状態で告知をするのは避けましょう。
落ち込んでいるときに伝えることで、お子さまを追い詰めてしまうことがあります。

伝え方

 「ネガティブな表現」を使うのはNG

「発達障害があるから○○ができない」など、特性による苦手だけにフォーカスすることや、障害が悪いものであると思わせるような言い回しは使わないようにしましょう。
特性を「治さなければならない」と説明することも避けましょう。そもそも発達障害による特性の場合は「治す」という表現が適切でないことがあります。
今のその子を否定するのではなく、人は誰しも「得意」と「苦手」があることを伝えることが大事です。

 障害名だけ覚えさせるのはNG

「あなたはADHDがある」など障害名だけを伝えるのではなく、「あなたは遅刻をしやすい」など障害による特徴(特性)を理解してもらうことを優先するようにしましょう。
障害名だけを覚えさせてしまうと、自分に都合が悪いことがあったときに、なんでも障害のせいにしてしまうことや、障害名にこだわってしまい、自分の本当の課題を理解することが難しいことに繋がってしまうことがあります。
お子さまの特性による「苦手」が何かを事前に見極めておくのが重要です。

行き当たりばったりで障害告知をするのではなく、事前に「いつ」「どのように」お子さまに説明するかを考えておくことが大切です。
伝え方ひとつでお子さまへの影響が大きく出ることを理解しておきましょう。

子どもに「苦手なこと」について説明する父親

障害告知をする前に準備すべきこと

できるだけ早期から「苦手への向き合い方」を教えることで、障害告知の土台づくりをすることができます。この土台づくりをすることで、お子さまの自己肯定感を守りながら、障害を受け入れてもらいやすい状態を作ることができます。

「友だちと比べて自分は○○ができない」など他者比較して自己理解ができるようになるのが、定型発達のお子さまでおおよそ10歳前後と言われています。
自分と周りを比べられるようになったときに、自分の「苦手」がはっきりと自覚されることで、非常にネガティブになってしまうことがあります。
そのため、およそ10歳よりも前の段階で、自分の「苦手」をある程度受け止められるようになることを目指しましょう。

周囲ができているのに自分ができていないことで落ち込む女子中学生

「苦手」にうまく向き合わせるために伝えたいこと

 「苦手」は悪いことではない、誰でも持っていること

ひとくちに「苦手」と言っても「片づけが苦手」もあれば「ピーマンの味が苦手」「虫を触るのが苦手」などさまざまあります。
特性による苦手とそれ以外の苦手を別のこととして考えるのではなく、同じ苦手であり、誰しも多かれ少なかれ苦手なことがあることを説明しましょう。苦手なことがあるのは当たり前であることを知ってもらうことで、特性による困難さが出てきたときに、自信を失わせないようにすることができます。

 「苦手」なことはしかたない、だけど努力は必要なこと

「苦手は誰しもあるのだから、直さなくていい」と誤解を与えてしまうことはよくありません。
苦手を知り、その苦手と付き合うためにどんな工夫をするべきなのかを、お子さまと一緒に考える癖付けをするようにしましょう。
「○○ができないのは仕方ない、でも○○は頑張る!」と前向きな気持ちで特性に向き合えるように、できないことへの代替案を提案し、その代替案ができたときには必ず褒めるようにしましょう。

お子さま自身が、自分の「苦手なこと」を理解しつつ、自己肯定感は下げないという状況を事前に作っておくことで、障害告知がスムーズになります。
すでに特性による「苦手」に対してネガティブになっている場合には、それ以上自己肯定感を下げないために、「実は障害がある。生まれ持ったもので、あなたのせいじゃない。」という説明をすることが必要なこともあります。

数学ができないが絵画コンクールで入賞した話を母親にする女子中学生

保護者自身が「子どもの障害」に向き合うのが大切

「障害があることを知らないほうが幸せなんじゃないだろうか?」と考える保護者の方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。
私たちは、発達障害のあるお子さまが、社会で生きていくうえで、自分自身の特性を知ることは必要不可欠であると考えています。そのためには「障害について知る」ことは避けられないことが多いのです。

将来、社会的な自立を目指すためには、自分自身で特性による「苦手」に対処するだけではなく、周囲に助けを求めることも必要だからです。
障害があることを知らないままだと、特性によって自分ではどうしようもないことであっても自己対処をするしかなくなり、追い詰められてしまうことになりかねません。

段階的にかつ適切に、お子さま自身が「自分の苦手」を理解し、「障害があること」を自認できるようになるためのサポートをするのは、保護者の方の役目になってくるでしょう。

職場で合理的配慮を依頼する社会人

保護者の方は、「障害について、子どもにいかに分かりやすく説明するか」と難しく考えすぎず、まずは、お子さま自身が自分の「苦手」を理解することをゴールとしてみましょう。そのあとに「苦手」が発達障害の特性によるものだということを伝えるのがおすすめです。
前項でお伝えをした「土台づくり」ができていれば、苦手=ネガティブなもの、という考え方になりづらいので、「自分は○○が苦手だけど、かわりに○○をやるからいいよね」と前向きな気持ちをキープさせながら、苦手と向き合うことができるようになるでしょう。

今回ご紹介をしたポイントを無視して対応をしてしまうと、「障害があるから自分はだめな人間なんだ…」と極端に落ち込んでしまったり、「障害があるからできなくてもしょうがない!」と開き直ってしまったりしかねません。
とは言え、記事の通りに「障害告知」の準備をしたり、その準備のために「伝え方」を考えたりすることが難しいと感じる方も少なくないと思います。
そんなときには、専門家や機関を頼ることも手段のひとつです。

相談先としては、

● クリニックや行政の障害福祉窓口
● 
障害のあるお子さまの支援をおこなう通所型サービス

未就学児向け児童発達支援
 就学児向け 放課後等デイサービス

があります。

私たちハッピーテラスでは、特性による「苦手」への工夫を練習するトレーニングを提供しています。また、お子さまに合わせて「特性」の説明をおこなうこともできます。
まずはお子さまのこと、話してみませんか?お気軽にお問い合わせください。


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