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【言語聴覚士が解説】2歳で発語なし、ジェスチャーが多い子の特性と家庭でできる「言葉の練習」・療育のステップを現役児童指導員が徹底解説!
2歳を過ぎても発語がなかなか見られない、ジェスチャーばかりで言葉が出ないと、保護者の方は大きな悩みを抱えてしまうことでしょう。特に「周りの子どもと比べて言葉の遅れが目立つ」と感じると、「このまま様子を見ていて本当に大丈夫なのだろうか」と不安に思われるのも無理はありません。
今回は、2歳の発語について不安を感じている保護者の方へ、児童指導員の視点から、発語の遅れの背景にある特性や、家庭でできる言葉の練習、ハッピーテラスキッズでの療育ステップをご紹介します。

Aさんのケース:具体的なエピソード
Aさんは2歳4か月の女の子です。指差しや手のひらを広げて「ちょうだい」と伝えるなど、ジェスチャーでのコミュニケーションは活発です。欲しいものがあるときは、保護者の手を引っ張って目的の場所に連れていく行動(クレーン現象)もよく見られました。
Aさんの発語は「ママ」「パパ」などの喃語に近いものが数語ある程度で、単語を話す状況はほとんどありません。しかし、言葉の理解は進んでおり、「おもちゃを取って」「おやつだよ」といった簡単な指示や言葉は理解できています。保護者からは「言葉は出ていないけれど、要求は通じるので、ついジェスチャーの先回りをして対応してしまう」という悩みが聞かれました。
困りごとの背景にある特性とは
2歳で発語がない要因はさまざまです。言葉の発達には個人差がありますが、Aさんのように言葉の理解は進んでいるにもかかわらず発語なしという状況の場合、その背景に自閉スペクトラム症(ASD)などの発達障害の特性や、言語発達の遅れが要因として考えられることがあります。
Aさんの場合は、指差しやジェスチャーといった非言語コミュニケーションが上手な特徴がありますが、これはコミュニケーションをとる能力自体は持っていることの証明です。
一方で、手のひらを使って要求を伝える行動は、言葉で伝えることよりも「その方が伝わりやすい」という成功体験から習慣化している場合や、発語に必要な模倣や発音の練習の機会が少ないことが言葉の遅れにつながっている要因になっている状況も考えられます。
発達の目安とAさんの現在地
一般的に、2歳頃の子どもは言葉の理解が急速に進み、「ワンワンいた」「ママ、おやつ」といった2語文を話し始めることが発達の目安とされています。
Aさんの現在地は、言葉の理解は発達の目安に近づいているものの、発語の面で遅れがある状況です。このギャップを埋めるためには、言葉でのコミュニケーションを促すための練習と支援が必要です。ジェスチャーでの要求が通じるだけでなく、「言葉で要求するともっと良いことがある」という成功体験を積み重ねることが、発語の成長を促進する効果的なステップとなります。
ハッピーテラスキッズでおこなった支援と、その後の成長
ハッピーテラスキッズでは、Aさんの言葉の遅れに対し、児童発達支援の療育プログラムを通じて、発語につながる練習と支援を提供しました。

支援の具体的な工夫とコツ
- ジェスチャーを言葉につなげる工夫
- ジェスチャーで要求があった際、すぐに対応せず、先生が「ちょうだい」や「あけて」といった言葉(単語モデル)を提示し、模倣での発音を促しました。
- 模倣で発音できたら、大げさなくらい褒め、要求されたものを渡すという練習をおこない、「発語すると要求が伝わる」という効果的な成功体験を増やしました 。
- 遊びを通じた発語練習
- Aさんの好きな遊び(ままごとやブロック)の中に、言葉の練習を自然に取り入れました。「遊び」を通じて言葉の音(発音)や、コミュニケーションの楽しさを知る支援を行いました。
- 遊びの中で、物の名前や擬音語(ブーブー、ワンワンなど)を先生が楽しく繰り返し、Aさんの模倣を促進しました。
- 保護者との連携と家庭での調整
- 保護者の方には、家庭での育児の状況をヒアリングし、発語を促すためのコミュニケーションの調整方法(単語モデルの提示の仕方、ジェスチャーへの対応の仕方)を指導しました。
- 言葉の遅れに対する保護者の悩みに寄り添いながら、家庭での練習が無理なくおこなえるサポートを提供しました 。
その後の成長
こうした個別支援と保護者との密な連携を通じた療育の結果、Aさんは言葉の模倣が格段に増え、次第に「ママ」「パパ」といった言葉が定着し始めました。そして、最終的には「これ、ちょうだい」といった言葉での要求を発語し、コミュニケーションでの成長を見せるようになりました。保護者からは「家庭での育児が楽になり、Aさんの気持ちが理解しやすくなった」という嬉しい効果の報告がありました 。

まとめ:一人で悩まず、まずはご相談ください
2歳の発語の遅れは、保護者にとって大きな悩みです。しかし、発語なしでもジェスチャーで要求を伝える行動が見られるAさんのように、コミュニケーションの意欲という能力を持っている子どもは多くいます。この能力を適切に伸ばす早期の支援が、その後の発達を大きく促進する効果を持ちます。
言葉の遅れの原因が発達障害の特性(自閉スペクトラム症(ASD)など)にあるのか、あるいは言語発達そのものの遅れにあるのか、その要因を専門的に分析し、子ども一人ひとりに合った練習と療育プログラムを提供することが大切です。
児童発達支援のハッピーテラスキッズでは、公認心理師や言語聴覚士といった専門資格を持つスタッフが、家庭と連携しながら言葉の成長をサポートします。
子育ての悩みを一人で抱え込まず、まずはハッピーテラスキッズにご相談ください。

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