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発達障害の子どもの行き渋り・登園拒否|原因を解説

更新日

「保育園・幼稚園に行きたくない!」と泣いてしまったり、かんしゃくを起こしてしまったりするお子さまに悩む保護者の方は少なくありません。

発達障害があるお子さまの場合は、「行きたくない理由」の原因が特性によるものである可能性があります。その場合には、無理に通園させることで、大きなストレスを抱えたり、さらに大きな拒否反応を示したりすることがあります。

今回は、未就学児の発達障害のあるお子さまの「行き渋り」の原因を分かりやすく解説します。発達障害の子どもの登園拒否・行き渋り|対策を紹介の記事もあわせてご覧ください。

発達障害の子どもの行き渋りの原因は?

発達障害のあるお子さまの「行き渋り・登園拒否」をする原因として考えられることを紹介します。
特性はお子さま一人ひとり異なるため、当てはまらないこともあります。お子さまに話を聞いたり、様子を観察したりしながら、原因を探っていくようにしましょう。

登園拒否する子どもと困る母親と保育士

母子分離(ママ離れ)ができていない

お母さんがいない環境に強い不安を感じる(母子分離不安)ために、登園を拒否するケースがあります。
「母子分離不安」はASD(自閉症スペクトラム障害)特性のある子どもに多いと言われています。

赤ちゃんのころはお母さんにべったりとくっついているのが、少しずつ大きくなるにつれて、お母さんから物理的に離れていても不安にならないようになってくることを「母子分離」と言います。
だいたい3歳くらいまでには「お母さんから離れていても大丈夫」と認識できるようになり、4~5歳までにはお母さんが見えなくなっても遊ぶことができるようになるのが一般的だといわれています。

母親が物理的に離れていることに不安になり泣き出す女児と、それに気づく母親
すぐに女児に向かって近寄る母親と、母親が気づいてくれたことに気づく女児
女児を抱きしめる母親と、見守ってくれていたことを確認できて安心する女児
近くでママ友と立ち話をする母親と、母親が視界に入っていなくても遊ぶことができるている女児

このように「お母さんから見守られている」ことを経験しながら、「お母さんと離れていても大丈夫」と安心感を抱くことで、徐々に母子分離ができてくるようになります。
しかしながら、ASDのあるお子さまの場合は、以下の特性による理由によって母子分離がうまくいかないことがあります。

  • 不安を強く感じやすい
  • 「ママは見守ってくれているのだろう」という他者視点が持てないため、不安がぬぐえない

お母さんから離れることに強い抵抗感がある場合には、母子分離の段階的なサポートが必要になることがあります。
他者視点の低さから不安がある場合には、「○○ちゃんのことを見ているよ、そばにいるよ」と直接声に出して伝えることがポイントです。

母子分離に挑戦する場合は、無理に引き離そうとせず、お子さまの状態に合わせて、少しずつお母さんとの距離を持てるようになることを目指すようにしましょう。
母子分離に関する相談は、子ども家庭支援センター、児童相談所や障害福祉サービスである「児童発達支援」にすることができます。

慣れない環境に不安を感じている

ASDの特性がある子どもは「はじめてのこと・知らないこと」に強い苦手や抵抗を感じるケースがあります。
さらに、先述したようにASDがある場合は、不安を感じやすい傾向があります。
不安をぬぐうために、周囲の情報(どんな場所・どんな人・どんなことをしているか等)を収集したり理解したりしようとするのですが、特性によってそれに時間と労力がかかることがあるために、知らない場所に対して強い抵抗感を持つのです。
また、想定外のことが起こったり、何をするかの見通しが立たなかったりするときに、不安を感じたりパニックを起こしてしまったりすることもあります。

このように、発達障害の特性によって「はじめてのこと・知らないこと」に対して柔軟に対応できずに、不安を非常に強く感じてしまうことがあります。
環境に慣れるまで無理をさせないようにし、「どんな場所で何をやるのか」を前もって知るための機会を設けるようにしましょう。

例えば、最初から長い時間ではなく、短い時間(午前中だけ等)だけ通園をさせる=慣らし保育の期間を長めに設けるなどの対策があります。最初は短時間であったとしても「通園できた」という成功体験を積ませることで、徐々に通園時間を延ばしていくことができます。

「慣れない場所」を嫌がるお子さまは、障害の有無を問わず少なくありません。
しかしながら、特性によって「慣れない場所」に馴染むまでに時間がかかったり、特性のないお子さまよりも非常に強い不安を感じたりすることがあります。
特性によるものの場合は、お子さま本人の努力不足や保護者の方のしつけによるものではなく、特性に応じたアプローチが必要です。

保育園・幼稚園での困りごとがある

多くのお子さまが保育園や幼稚園で、はじめて「集団行動」をとるようになります。
同世代のお友達と交流をしたり、さまざまなカリキュラムに参加したりする中で、発達障害の特性による「苦手」がみられることがあります。
他の子どもと比べて「できない」ことに、お子さま自身が気づいたり指摘を受けたりすることで、自信を失ったり、園が「楽しくない」と感じてしまったりするケースがあります。

工作のカリキュラムを行う子どもと先生、一方で集団行動が苦手で隅っこのほうにいる子ども

保育園・幼稚園での困りごとの代表例をいくつか紹介します。

ASD自閉症スペクトラム障害  ADHD注意欠如・多動性障害  DCD発達性協調運動障害  その他その他の障害

 お友達とうまく関われない ASDADHD

 ASD特性の「コミュニケーションの苦手」があり、友達の輪に入れない、一人遊びが好き
 ADHD特性の「衝動性」があり、順番を待てない、友達に手をあげてしまう

 工作やダンスがうまくできない ASDADHDDCD

 ADHD特性の「不注意」があり、集中をし続けることが苦手、注意力が散漫になる
 ASD特性の「こだわり」があり、思い通りの物が作れないと、パニックになることや、取り組もうとしないことがある
 DCD特性の「協応動作の苦手」があり、手先が不器用、身体をうまく動かすことが出来ない

 感覚特性による苦痛を感じている ASD

 ASD特性の「感覚過敏」があり、蛍光灯や日光が痛く感じる、チャイムの音が苦手、泥に触れない

 じっとしていられない ADHD

 ADHD特性の「多動性」があり、先生の話を聞くこと、席で座ったままでいることが苦手

これらの他に、
 トイトレ(トイレトレーニング)がまだできていない
 発語が遅れている、吃音がある
 学習障害があり、ひらがなを読むことができない
など特性による苦手で「できない」ことがあるケースもあります。

お遊戯会のダンスの練習についていけない子ども

他のお友達ができているのに、自分ができないことでショックを受けたり、できないことをお友達にからかわれて傷ついたりすることで、「幼稚園・保育園が嫌なところ」になってしまうのです。

さらに、発達障害の特性があるお子さまは、嫌な記憶が鮮明に残りやすい傾向があるといわれており、ネガティブな経験を一度しただけでもトラウマとなり、極端に強い抵抗感を抱いてしまうことがあります。特性による苦手がある場合には、お子さま一人ひとりの発達段階や困りごとに合わせた支援をおこなう「療育」に取り組むことが対策のひとつです。

園で嫌な経験をしても、それをうまく言葉にすることができないお子さまが多くいます。
自分の気持ちや経験を説明することが苦手であるためです。
お子さまの様子に違和感があるときや、急に登園を渋るようになったときには、園での様子を先生に詳しく聞いてみるようにしましょう。

行き渋りは子どもからのSOS

朝の忙しい時間に「行きたくない!」と登園を拒否したり、登園する準備をしなかったりするお子さまを叱ってしまう保護者の方は少なくありません。
しかしながら、「行きたくない」原因が特性によるものであった場合には、お子さま本人の努力ではどうしようもありません。お子さまも困っていたり、苦しんでいたりするのです。

小さなお子さまは、うまく自分の感情や状況を説明することができないために、泣くことや拒否をすることで保護者の方に気持ちを伝えようとします。
園に行きたがらない様子がみられたときには、「何か困りごとや悩みがあるかもしれない」ととらえ、お子さまに寄り添いながら、理由を聞いてあげるようにしましょう。

発達障害の子どもの登園拒否・行き渋り|対処法を紹介の記事も、ぜひ合わせてお読みください。

園に通う前、ご家庭だけで過ごしているときには気にならなかった特性が、通園をはじめ、保護者の方と離れて同世代のお子さまの過ごす中で、「苦手」として見えてくることがあります。
発達障害は目に見えない障害といわれているため、原因がすぐに分からないことが多くあります。

急に登園を拒否しはじめた、園の先生や本人に理由を聞いても原因が分からない、原因は分かったけど対処法が分からない…という場合は、発達障害のある子どもをサポートする障害福祉サービス「児童発達支援」に相談することもおすすめです。

児童発達支援ハッピーテラスキッズでは、お子さま一人ひとりに合わせたアプローチで成長をサポートする療育を提供しています。
お子さまだけではなく、保護者の方に寄り添い、お子さまの課題を見極めながら支援をおこなっています。
まずはお気軽にご相談ください。


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