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発達障害の子どもの登園拒否・行き渋り|対策を紹介

更新日

前回のコラム 発達障害の子どもの行き渋り・登園拒否|原因を解説では、発達障害のあるお子さまが、幼稚園・保育園に行きたがらない理由として考えられることについて紹介しました。
行き渋りの根本原因には、発達障害の特性による「苦手」があることがあります。

特性が背景にある場合には、一般的に語られている子どもの行き渋り対策では、なかなか解決することができなかったり、かえって状況を悪化させてしまったりする可能性があります。

今回は、発達障害のあるお子さまの「行き渋り」の対策方法について紹介します。

発達障害の子どもの行き渋り対策は?

ご家庭で行き渋りをサポートするためのポイントを流れに沿って紹介します。

対策をするためには、お子さまが「なぜ園に行きたくないのか」理由を探ることが最も重要なポイントになります。
ただし、お子さまに話を聞くだけでは、年齢的にも特性的にも、本人が説明すること難しいケースが多いです。特性による苦手があるのではないかと見立て、様子をうかがったり、園での様子を先生に確認してみたりするようにしましょう。

原因として考えられることについては、発達障害の子どもの行き渋り・登園拒否|原因を解説の記事を参考にしてください。

登園拒否する子どもと困る母親と保育士

①お子さまの気持ちに寄り添う

朝の忙しい時間帯に、子どもが「幼稚園に行きたくない!」と泣き出したり、登園の準備を拒否したりするのに対し、思わず感情的になってしまうこともあると思います。
「お迎えのバスに間に合わない」と焦ったり、「わがままを言いだした」といらついたり、「何かあったのではないか」と心配になったり、さまざまな感情に押しつぶされそうになった経験がある方も多いのではないでしょうか。

しかし、ここで重要なことは、保護者の方が冷静でいることです。
行き渋りの原因は子どもからの「SOS」だととらえ、お子さまに向き合うようにしましょう。
そのためには、まずお子さまに共感を示すことが大事です。「嫌だ」という気持ちを否定せずに、お子さまの味方であることが伝わるように、寄り添ってあげることがポイントです。

叱ったり、お子さまの気持ちを聞かずに無理に行かせようとしたりすることで、さらに「幼稚園・保育園が嫌い」になってしまうことがあります。
また、園を休ませたときに「明日はちゃんと行こうね」などと声がけをすると、お子さまにプレッシャーを与えてしまうので気を付けましょう。

頭の中ではバスに遅刻しそうで焦っているが、優しい顔で子どもの話を聞いてあげる父親

②行きたくない理由を聞いてみる

小さなお子さまは、うまく言葉にできないことが多く、感情的に泣いてしまうことがあります。
ですが、行き渋りに対処するためには、お子さまが「なぜ登園したくないか」を知る必要があります。

自分の気持ちや考え、起こった出来事などをうまく伝えることができない場合は、YES(うん、そう)かNO(ううん、ちがう)で答えられるような(YESと答えそうな質問をするとよりよい)問いかけをしながら、原因を探っていくようにしましょう。
このときに、保護者の方の考えを押し付けないようにするのがポイントです。保護者の方が納得できる理由に無理やり誘導させようとしないようにしましょう。あらゆる可能性があることを前提に、「もしかして」と考えられることを、さまざまな角度から聞いてみるようにしましょう。

お子さまに理由や事情を聞くことが難しい場合には、園の先生に話を聞いてみるようにしてください。
また、特性によってお子さまの認識と実際に起きたことが異なることがあります。園で起こった出来事について事実確認をすることをおすすめします。

泥遊びが嫌なの?と話を聞く母親と、泥の触感が嫌いなのと答える子ども

③行きたくない理由ごとのサポートをする

「行き渋り」の原因として考えられることが分かったあとには、「行きたくない理由」に合わせたアプローチをおこなっていきます。
発達障害の特性が原因となっている場合には、特性に応じた支援が必要となるため、専門機関や障害福祉サービス(児童発達支援)への相談をしていただくのもよいでしょう。

理由① ママ(保護者の方)と一緒にいたい

母子分離不安は、3歳ごろまでには多く見られるものです。
発達障害の子どもの行き渋り・登園拒否|原因を解説|母子分離(ママ離れ)ができていないで説明した通り、保護者の方から離れる→泣く→戻ってくる を繰り返すことで安心感を得ることができ、徐々に不安がなくなっていきます。

母子分離をうながすためには、甘えてくるお子さまを受け止め、お子さまと過ごす時間を増やしていくことが効果的だといわれています。スキンシップや会話を増やすように心がけましょう。
また、「○○ちゃんのことを見ているよ、そばにいるよ」と直接的な声がけを繰り返しすることによって、安心感が得られ、徐々に保護者の方と距離が離れた場所で過ごすことができるようになります。
段階的に、お子さまとの物理的な距離を作っていき、泣かずにいられたときには「不安だったけど、できたね」と褒めることで行動が定着しやすくなります。

保護者の方と離れることに強い抵抗感がみられる場合には、園を休ませることも手段のひとつです。

園から「帰ったあと」の話をするのもよいでしょう。「幼稚園に行って帰ってきたら、一緒に○○をしようね」など、小さなご褒美を用意するのもおすすめです。

ASD特性によって母子分離不安が強い場合には、専門的なサポートが必要なこともあります。
4歳を過ぎても不安が強い場合(保護者の方が見えなくなるとパニックになる、一人で寝ることができない等)は、専門機関などに相談してみるようにしましょう。

親子で触れ合いながら楽しく過ごす

理由② 不安がある

「はじめてのこと・知らないこと」に抵抗感のあるお子さまの場合には、その場所に慣れてもらうためのサポートが必要です。
保護者の方と園内を見学したり、環境に慣れるまで一人で過ごせる場所を用意してもらったりするなどがあります。
保護者の方自身が焦らずに、じっくりと付き合うことがポイントです。お子さまの不安に寄り添ってあげることが大切です。園での予定を前もって伝えておくことも効果的です。どこで・だれと・何をするのかが事前に分かることで安心感を得ることができます。
このときに「明日は粘土遊びの日だねー楽しそう!」など前向きな言葉をかけてあげることもポイントです。「明日はちゃんと行こうね」などプレッシャーをかける言葉は避けましょう。

連絡帳をみながら、明日は動物と遊ぶ日!と説明する母親と、モルモットを触りたくてキラキラする子ども

理由③ 特性による苦手がある

特性によって「できない」ことがある場合には、できないことを責めずに、できるようになるためのサポートをする必要があります。
事前に家庭で練習をする、園に伝えて配慮(障害に対するサポート)をお願いする、療育サービスで訓練をするなどがあります。

なかなか家庭内だけでは、特性に応じたアプローチをすることが難しいケースがあります。
療育を提供する障害福祉サービス「児童発達支援ハッピーテラスキッズ」でおこなっている支援例を紹介します。

  • 言語・コミュニケーション
    • 発語や発話を促すサポート
    • 自分の要求や気持ちを言葉にする練習
    • 社会性(他者とのやりとり、ルールの習得等)を身につける小集団遊び
  • 微細運動(手や指先を使った動作)、
    粗大運動(走る・座るなど身体を大きく使った動作)
    • 手先を使う作業(パズル、ハサミやのりを使った工作等)の練習
    • 身体の動かし方やバランス感覚を身につける練習
  • 日常生活のサポート(家庭内療育のレクチャー)
    • トイレトレーニング
    • 歯磨き

園に、発達障害の特性や苦手なことを理解してもらうことも非常に重要です。
園や先生に情報を共有することによって、お子さまの適切なサポートをおこなうことができます。
児童発達支援では、園との連携もおこなっています。

児童がどんじゃんで遊ぶ様子

④できるようになったら褒める

良い行動を定着させるためには「褒める」ことが非常に重要です。
些細なことであったとしても、お子さまにとっては大きな一歩であることがあります。
登園の準備ができたとき、園の前で別れることができたとき、園から帰ってきたときなど、都度褒めるようにしましょう。
園で工作をしたとき、お遊戯会で発表をしたときも、もちろんです。きちんとお子さまに向き合いながらしっかりと褒めることで、自己肯定感を高めることにつながります。

「園が嫌なところ」というイメージを払しょくすることはなかなか難しいものです。不安を感じたり、嫌な経験をしたりすると、急に前向きになることは難しいでしょう。
スモールステップで、一歩ずつ登園に向けてできることを増やしていくことがポイントです。

園が楽しいところであることを日々伝えることも忘れないようにしましょう。
毎日、笑顔で「○○を楽しんできてね!」と送り出すことで、前向きな気持ちで登園できるようになれるでしょう。

抽象的な表現でおおげさに褒めるのではなく、良い行動を明確にして分かりやすく伝えるようにしましょう。例えば、「一人でバスに乗れてかっこよかったね!」などの褒め方が効果的です。

ニコニコしながら見送る母親と笑顔でバイバイする子ども

「療育」を検討することも大切

時間に余裕があれば、子どものことをフォローできるかもしれないけど…できる範囲でやってきたけど、改善する様子が見られない…そんなお悩みを抱えている方は、ぜひ「療育」を提供している障害福祉サービスへの相談も検討してみてください。
療育とは、発達に課題があるお子さまに対し、一人ひとりの発達段階や障害の特性に合わせたサポートをおこなうことで、将来的な自立を目指すことです。

発達障害は目に見えなく分かりづらい障害であるために、「苦手」の原因がどのような特性によるもので、どのようなアプローチが効果的かを見極めることが難しいケースがあります。
通園している幼稚園・保育園の先生側も、お子さまにどう接すればよいか分からずに悩まれることも少なくありません。
発達が気になるお子さまへのサポートをおこなう「児童発達支援」では、保護者の方だけではなく、園との連携もおこなっています。

児童発達支援ハッピーテラスキッズでは、お子さま一人ひとりに合わせたアプローチで成長をサポートする療育を提供しています。
お子さまだけではなく、保護者の方に寄り添い、お子さまの課題を見極めながら支援をおこなっています。
まずはお気軽にご相談ください。


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